28. 10か条
私としては幸美から例の件の話題を出してくれたことを嬉しく思っていました。
幸美が言ったことは、いろいろあって、要するにデートごっこを受け入れるにあたっての条件提示でした。
その時に幸美が言ったことを、私はMEMOにしたり、書き物にしたわけでもなくて、
録音なんてことも咄嗟に思いつかなかったのです。
ここでは当時の記憶をたどりながら、伝えやすいように加工しています。
幸美が、私の提案した鈴木とのデート(ごっこ)を受け入れる条件として提示したこと……
思い出しながら整理して並べると10項目ありましたので、便宜上「10か条」と呼ばせてください。
1. デートと言っても、これは鈴木を癒すため、私のED回復のため、が目的だから、
それ以外の要求をしないでほしい
2. 時間を必ず守って(13:30-18:30)デートをする、時間外は要求しないでほしい
3. デートの日は帰宅が18:30になるから、用意できる夕食はお惣菜中心になることを理解してほしい、
それから、留守番をしている私に、時間になったらお米を研いで炊飯器にセットしておいてほしい。
4. すでに成人しているとはいえ、県外にいる子供たちに言わないでほしい(彼らを心配させたくない)
5. デート時間中は連絡しないでほしい(鈴木に対して悪い気がするから)
6. 帰宅後の私への報告は、幸美からは本当のことしか言わないから、疑ったり勘ぐらないでほしい
7. このデートのことで、夫婦の関係に悪い影響を与えたくない。
8. 指定されたデートの半日以外は、夫婦としていつものように何事もない普段通りの
変わらない生活を送りたいから、デートに関係する話題は極力というか、
絶対に出さないようにしてほしい (日時確認や急用はOK)
9. このデートがきっかけで私と鈴木との関係が悪くならないようにしてほしい
10. デートの時にかかったお金は折半にしてほしい
幸美が話していた受け入れ条件は、概ねこのような内容だったと記憶しています。
内容は、いかにも幸美らしい、どこか負けず嫌いなところがあるような気がしましたが、
受け入れ条件ということなので、私は真摯に幸美と内容を確認しながら共有したのでした。
尚、補足をしますと、幸美の「受け入れ条件、10か条」の設定ですが……
No.付きで箇条書きにすると、どうしても固くて畏まった表現になってしまったのですが、「あー、あれも」「だったら、これも」「じゃぁこうしてよ」みたいな感じで、片方でテレビを観ながら、時には笑い冗談を交えながら、軽く決めていったのでした。
少なくとも「覚悟」とか「本気」といった緊張感や切迫感はありませんでした。
「仕方がないな~」と割り切って、軽い笑顔で仕方なく付き合ってあげる的な……
そんなリビングでのやりとりの軽い雰囲気を、お察しいただければ、幸いです。
このように私たちは少しずつ来週のデートごっこに向けて準備をしていたのです。
ところが急に思わぬ出来事が発生したので、鈴木にも事情を話して、やむなく1回目のデートの日をズラすことになったのでした。
それプラス、今度は鈴木のほうから出張(10日間くらい)が入った、と連絡が来ました。
せっかくここまで順調に、そして慎重に思惑通りに事を進めてきたのに……
立て続けのアクシデントに、私は マジか!というガッカリした気持ちになっていました。




