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第16話「女神から搾り出せ」

俺はステータスの『()()()』を確認する。


【 生命力 】43/43


――よし、全快(ぜんかい)したな。


俺は上体を起こし、身体全体の様子を改めて確認する。


「少年、もう大丈夫なのか?」

「凄い……ちょうど治療が終わったと思ったタイミングで起き上がったぞ」

「良かったぁ……お姉さん嬉しいわ……」


迅速(じんそく)な治療、ありがとうございました。おかげで試合前より元気になりました!」

手繰(てぐり)……本当に大丈夫か……?」


岡守(おかもり)先生も近くにいてくれたのだろう。

本気で心配してくれてるのが分かる。


「ええ、岡守(おかもり)先生……もう大丈夫そうです。本当に僕の命を救っていただいてありがとうございました。このご(おん)は決して忘れません」

「え……あ、いや……俺は当然のことをしたまでだ。すぐに助けてやれなくてすまなかった……」

「いえいえ、そんなことはないですよ……。それより、()()()()()()()()()()()()()()()


俺は立ち上がって、岡守(おかもり)先生の近くにいた女神のほうを向いた。


「女神様が俺のために()()()()()()()のはよーく分かりました。俺も魔王討伐にできる限り尽力したかったので、可能性を試していただけたのは本当に嬉しいです」

手繰(てぐり)……お前……」


女神は(まゆ)をひそめる……。

こいつは何を言ってるのか?……という目だ。


「ですが、女神様も(おっしゃ)った通り俺の固有スキルは『触れた物質を操作する能力』です。このままでは魔王には通用しないのでしょう。ですが、()()()()()()()()()()()()()()()!……()()()()()()()()()()()()()()()女神様は『人を操れる能力』ならば魔王討伐においての最大の切り札になると……」


女神は表情を変えないが俺には分かる。

動揺しているぞ……。


「確か……『カスタムスキル』というのがあったかと思うのですが……その『カスタムスキル』を活用して僕の固有スキルを『人を操れる能力』にまで成長させることは可能なんでしょうか?……僕も魔王討伐の一助(いちじょ)となりたいのです!」


俺はキラキラとした目線を女神に送る。

だが女神は表情を変えない。


手繰(てぐり)くん……残念ですが――」

岡守(おかもり)先生……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「て、手繰(てぐり)……!?」


()()()()()()()()()()()()()()()()!……ですのできっと答えてくれるはずです。本当に生徒を『物』としか見てないようなら、ここで答えないなんてありえないですもんね。ね?……女神様」

「……………………」


女神は表情を変えないが

眼光だけは笑っていない。


「……ええ、()()()()()()()()。確かに手繰(てぐり)くんの能力をカスタムスキルで『人を操れる能力』へと成長できる可能性はあります。ですが、あくまで可能性です。絶対ではありません」

「本当ですか!?……良かった……僕も魔王討伐の役に立てるんですね……それで……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


女神の眉間(みけん)がぴくぴくと動くのを確認する。


「それは私にも分かりません。カスタムスキルには謎が多いのです」

「女神様にも分からないことがある……?……()()()()()()()()()()()()?」

「え……俺か……?」


女神の眉間(みけん)がさらにぴくぴくと動く。


「んー……女神ですら『カスタムスキル』……というやつを全て理解しているわけじゃないのか?……なぜだ?」

「申し訳ありません……カスタムスキルもそうですが、勇者の持つスキルには謎が多いのです」

「では、過去の事例(じれい)とかで良いので()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


女神は表情を隠すことをやめ

俺を(にら)みつけた。


「あの……俺なにか()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「なんだと……女神お前……」

「……いえいえ、そのようなことは……」


「それで、過去の事例を教えてください」

「……分かりました……あくまで事例ですので参考までにしてください。過去に召喚した勇者の中には岡守(おかもり)先生の『守るスキル』と似たような防御特化型スキルを持つ勇者がいました。その勇者の固有スキルは守ることに特化しているため、当然カスタムスキルでは攻撃系のスキルを覚えることはできません……ですが――、どこかのタイミングで()()()()()()()()()……もしくは()()()()があったのでしょう……その時、彼はカスタムスキルで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「本来ならカスタムスキルは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んでしたよね?……でもその過去に召喚された勇者は、それを可能とした……ということですね」

「あ、なるほどな……じゃあ俺ももしかしたら攻撃できるスキルを覚えられる……ということか」


女神は何かを押し殺すように無表情となる。

その不自然さが不気味に思えた。


「申し訳ありませんが……これ以上は本当に私も知りません……」

「では、最後に――僕は『人を操る能力』まで成長させることは可能なんですね?」

「…………おそらく可能だと思います。()()()()()()()()()()()()()?」


女神は優しい微笑みを向けてくる。

まぁ、()()()()()()……


「そこまで言うなら……僕は『物質を操る能力』をさらに極めるようにしますね!……女神様の反応から(さっ)するに人を操る能力にはオススメできない何らかのリスクが発生するように思えましたし、()()()()()()()()()()!」

「…………それが賢明ですね」

手繰(てぐり)……確かに無理はよくない……大丈夫だ、魔王は俺が倒すからな」


ここで女神との会話は終了した。


さーてと……


岡守(おかもり)先生ごめんよ……

()()()()()()()()()()()()


岡守先生を会話に(はさ)めば、ある程度は女神も話してくれるかも……と思ったが

想像以上に聞き出せたな……。


現時点では、女神が本当のことを言っているかどうかは怪しいところだが

反応から察するに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


女神の話はあくまでヒントくらいに考えて

あとは自分で色々と検証していくしかないな。


そしておそらく女神は『()()()()()()()()()()()()()


事故か何かに見せかけて……が理想か。


だが、逆に()()()()()()()()()()()()――

俺が『人を操る能力』に成長できるってことが真実であることを証明する。


さぁ、女神……俺に対して

何らかのアクションを取ってこい……。







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