マネージャーキリシュ02
「ああ、そうだ」
リーダーは返事をした。
「ふうん。でも無理だね。
あんた程度で皇帝なんて笑っちゃうよ」
少年は軽い口調で言う。
「なんだと!」
リーダーの取り巻きが少年をつかもうとする。
その腕は胴体から離れ床に転がる。
たぶん、何をしたのかわからないだろう。
俺にも何か糸のようなものを使ったことしかわからなかった。
「役不足、っていうか無理」
少年は笑顔をやめる。
そのとたん、リーダーのとりまき二人がバラバラにされる。
「なんだ、お前は」
リーダーは震える声で少年に問う。
「ぼくは、王の八剣の一人、糸剣のガダン。
いちおう、皇帝になるって人を見に来たんだけど、期待外れだね」
「なんだと!」
「ぼくはここに入ったとき、てっきりあの人かって思ったんだけど」
少年は俺を指さす。
「あいつは、腰抜けキリシュだ。
弱いくせに双頭の虎っていう有名パーティに入ってたやつだ。
その証拠にリーダーのレナードが亡くなったら冒険者をやめたんだと」
「ふうん、でもぼくと戦えるのは、ここではあの人くらいかな。
あくまで戦えるってだけだけどね。
やっぱ冒険者ってレベルが低いよね。
残念だよ」
「だまれ!」
リーダーは剣を抜く。
あーあ、あんなに熱くなって。
あの少年のやばさもわかんないのか。
俺なら、いちもくさんに逃げるけどな。
リーダーは剣を振る。
それを簡単に躱す少年。
「つまんないの。
こんなんだったら来るんじゃなかったな」
そう言って、リーダーとすれ違う。
そのとたん、リーダーの両腕は床におちるのだった。




