白銀美桜03
「美羽、大丈夫なの」
国王の使いが帰った後、一夏が美羽に問いかける。
「うん。なんとかなるっしょ」
美羽は楽天的だ。
この明るさに、みんなすくわれている。
そう、向こうの世界でお客さんが入らない時も、美羽はいつも前向きだった。
わたしたちが折れそうなとき、必ず美羽が救ってくれたのだ。
「いや、正解だ。
あいつらに逆らうのはまずい」
キリシュさんが美羽の肩をもつ。
「いざとなったら、暴れてばっくれよう」
佐那の考えはいつもこうだ。
「そうにゃん。妾が国ぐらい滅ぼしてやるにゃん」
ちびっこも美羽を勇気づける。
「とにかく、やつらと戦うのは最後の手段だ。
国を飛び出す覚悟でやらないとならない。
この国はくそみたいな国だからな。
王が国民のことをなにも考えていないのだからな」
キリシュさんが吐き捨てるように言う。
「それに王には八本の剣という悪魔のような親衛隊がいる。
それから宮廷侍従にも魔法にたけたやつがいる。
王宮は化け物ぞろいなんだ。
俺でも、守り切れないかもしれない」
とにかくやばい依頼をうけたことはわかる。
なんとか断ることはできないのかな。
仮病とか、親戚が死んだとか。
まあ、バイトのシフトじゃないんだから、そんなわけにいかないよね。
「とにかく、最高のライブをやる。
わたしたちにはそれしかできないよ。
王宮といえど、相手は人間。
最高のパフォーマンスをやって、みんなを感動させようよ。
今よりもっともっといい舞台にしよう。
そうすれば、王でもファンになってくれるかもしれない。
魔王でも神様でもわたしたちのライブを見たら、感動してくれるはずだよ」
美羽がなんか大きいことを言い出した。
たしかにそうかもしれないけど、美羽は理想を求めすぎだ。
ポジティブだけど、こういところは欠点だ。
でも、わたしたちはそんな美羽についてきたんだ。
「やろう。最高のライブを見せてやろうよ!」
わたしも美羽に呼応する。
そして、わたしたちは王宮でのライブの準備を始めるのだった。




