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異世界アイドル転生譚 転生したら魔王たちに推されて最強です  作者: PYON
4章 ジュエルボックスと市民革命
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白銀美桜01

 ベルナ劇場での公演も順調だった。

 そんなに大きくないけど、きれいな劇場だし、詩織が音響とか整えてくれた。

 とにかく、ホームグラウンドとしては十分すぎるくらい。

 こっちでの生活にも慣れてきたしね。


 この前、みんなで雑談していたんだけど。

 こっちの武道館ってどこなんだろうってね。

 やっぱ、貴族とか王様のところには、もっと大きな劇場ハコがあるんだろうなって。

 向こうの世界では、合同で体育館とか大学のホールとかでやったことあるけど。

 できたら、一度だけでも大きなところでやってみたいって気持ちもある。

 ただ、こっちは音響設備とかないから、まあそころへんも詩織がなんとかできてからって感じなのかな。

 

 それとこの世界で気になるのは、治安の悪さだ。

 わたしたちにはフリップさんがボディガードをつけてくれているけど、絶対にひとりで出歩かないようにって注意されている。

 休日の買い物とかそういうときでも、キリシュさんがついてきてたりする。

 とにかく、前の世界とちがって貧しい人が多いみたいだ。

 それも食べられないってレベルで。

 フィリップさんは、そういうのに心を痛めてて、なんか仕事をあっせんしたりして助けてあげてるみたいだけど、限界がある。

 もともとフィリップさんもストリートチルドレンだったらしい。

 キリシュさんもそうだったらしくて、昔の貧乏自慢が多い。 

 それはわたしたちからしたら引いちゃうレベルなんだけどね。

 わたしたちも、少し前にチャリティライブなんかをやってみた。

 かなりの収益が上がったみたいで、教会の人にすごくお礼を言われた。


 そこになんか王様からの使者とか言う人が劇場にやってきたのだ。

 小太りの小男だ。

 鼻の下に髭なんか生やして、それが左右にとんがってる。

 ジェルかなんかで固めてるんだろうな。

 まあ、元の世界ではお笑い芸人くらいしかしないような髭だ。

 そいつを囲むように騎士が控えている。


「わたしは王宮侍従長のラファエロだ。

 お前たちの踊りと歌を見てやった。

 今、王都の下賤な国民の間で大人気らしいな」


「いえ、それほどでも」

 美羽は謙遜するけど、チケットの売れ行きは順調。

 即完売って感じらしい。


「まあ、肌を露出して踊るという下賤な芸だが、王が一度みてみたいとのことだ。

 王宮劇場で歌うことを許可してやろう」

 なんか、上から目線じゃね。

 むかつく言い方だ。

 こっちは別に頼んでいない。


「いえ、わたしたちは…

 スケジュールもありますし」


「なんだと!他の芸人なら涙を流して喜ぶところだぞ。

 それほど、光栄なことなんだぞ。

 そんなこともわからないのか。

 やはり、下賤のものは、何もわかっておらん。

 だれか、話がわかるものはおらんのか!」

 髭のおじさんは、なんか顔を真っ赤にして叫ぶのだった。


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