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異世界アイドル転生譚 転生したら魔王たちに推されて最強です  作者: PYON
4章 ジュエルボックスと市民革命
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革命家マルクス02

 王自身も革命をすごく恐れていることだ。

 それはいろいろな国で反乱が起き王政が倒されていることだ。

 王が追われた国もあれば、王はただの儀式を行う神官とされた国もある。

 この国の王はそれを食い止めようとしているのだ。

 それは国力を損なってでも。

 国民の手で裁かれるのを恐れている。

 そう、国民は貧しいのに、王族は贅沢三昧をしている。

 こういう王はギロチンにかけられるだろう。

 この流れはもう止められない。

 絶対王政から民主制は歴史の必然の流れなのだ。


 ただ、それには革命が必要だ。

 現在の政体を壊さなければ、新しい国は打ち立てられない。

 歴史を見ても、これは人間の意思では成し遂げられないのだ。

 一種の大きな民衆パニック、これが起きないとならないのだ。

 一人の少年が衛兵に殺されたことから怒った民衆が立ち上がったもの。

 国が倒されたというフェイクニュースから本当に国が倒されたもの。

 革命には引き金が必要なのだ。

 もし、その引き金さえひかれれば、八本の剣も宮廷侍従も関係ない。

 魔王でさえ国民を止められないだろう。

 ただ、そういうイレギュラーが起こらなければ革命は起きないのだ。


 とにかく、機を待つことだ。

 そのためには、怪しい素振りをみせないこと。

 市民の一人として、普通にしていることだ。

 それには、市民の流行をつかみ、みんなに迎合して生きることだ。

 そのために、今日のライブには行かないとならない。

 美羽たんの歌とダンスを観に行かなくてはならないのだ。


 べつに、はやりのドルヲタってわけではない。

 これは擬態だ。

 アイドルに夢中な革命家がいるなんて思わないだろう。

 そう、そうなのだ。

 わたしは、美羽ちゃん推しの振りをしているだけだ。

 別に革命の意思を忘れたわけではない。

 

 わたしはペンライトのチェックをする。

 まだ、魔力はなくなっていない。

 今日もあの4人と一緒にペンライトを振るのだ。

 そして、終わったらリヴァイアさんたちとジュエルボックスの素晴らしさを語り合うのだ。

 スラリムさんの理論は素晴らしいし、フェリクスさんのジュエルボックス愛は本物だ。

 まあ、ノスフェラトゥのおじいさんは妄想の世界に入ってしまうが。

 すこしボケが入っているかもしれない。


 さて、そろそろでかけよう。

 わたしは忘れ物をチェックする。

 今日のライブもすごいんだろうな。

 なんか、顔がにやけてしまう。


 しかし、わたしは革命を忘れたわけではない。

 ただ、市民としてあやしまれないようにしているだけなのだ。

 本当なんだ。

 わたしはドルヲタじゃないんだ。

 本当なんだ。信じて欲しい。

 

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