革命家マルクス01
この国はもうだめだ。
もう200年以上のパトリック王家の支配。
他の国は変わりつつある。
いくら王政をひいていても、王も法律に従うという考え方。
いろいろな国で市民が力をつけてきている。
それなのに、この国は変わろうとしない。
貴族も既得権益を守ろうと必死。
民から搾り取ることしか考えていない。
最近、税がまた上がった。
それは隣のガニア帝国の動きが日に日に大きくなっているからだ。
帝国も民にやさしい国ではない。
皇帝の独裁により、まわりの国を征服することで国力を上げている。
しかし、そのことで民も潤っているのは確か。
民から搾取するのではなく、征服した属国や植民地から搾取する。
そんなやり方は長続きしないのは歴史の必然だ。
しかし、いますぐに衰退するわけではない。
とにかく、帝国には服従するという手はない。
そうすれば、われらの国はなくなってしまうだろう。
王は戦費を捻出するために税を上げ、徴兵を行うようになった。
本来であれば貴族が騎士団を率いて、国を守る。
そのために税金を支払っているのだ。
だが、今の貴族たちは腑抜けている。
自分の領地を守ることと王都での保身に奔走する。
それで、この国はいまや最悪な状態だ。
王都のスラムは広がり、飢えた子供たちがストリートに溢れる。
治安も悪くなり、ギャングが街を仕切っている。
そして、弱いものが食い物にされる。
この国には絶望しかない。
それを覆すために、わたしはレジスタンス組織を作った。
それが5年ほど前のことだ。
しかし、革命にはほど遠い状態だ。
同志も何人か騎士団に捕まり殺された。
やはり、少数の力で国をひっくり返すことはできないのだ。
この国は軍としての戦力は弱い。
しかし、王の8本の剣という最強の武器があるのだ。
ひとりひとりが一騎当千という化け物の集団だ。
しかし、その力は外に向かってが使われない。
あくまで、裏切った貴族の粛清や強くなって調子に乗った冒険者。
一山あてて莫大な財産を築いた商人の頭を押さえつけるのに使われているだけだ。
それから、王宮にいる宮廷侍従もやばいやつらだ。
こいつらは、男性の機能を失っている。
それが王宮に入る条件だからだ。
こいつらは王宮の闇の部分を支えている。
我らのように王に逆らうものを見つけては、捕まえとんでもない目に合わせているのだ。
王の逆らうものは秘密警察がとらえ、彼らに引き渡す。
その拷問の数々は筆舌に尽くしがたい。
やつらは娯楽として拷問を行うと言う。
それで、王に表立って逆らうことはできないのだ。