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異世界アイドル転生譚 転生したら魔王たちに推されて最強です  作者: PYON
3章 ジュエルボックスとS級冒険者
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A級冒険者のカシウス03

 今日は彼女たちのライブの日だ。

 なかなかの盛況。超満員だ。

 チケットをとるのが大変らしい。

 しかし、わたしらには簡単。

 極道会に頼めばたいがいのものは何とかなる。

 

 わたしは、指定の席に腰を下ろす。

 

「ただいまより、ジュエルボックスのライブを始めます」

 そうアナウンスがあり、劇場のライトが消える。

 腹の底に響くようなビート。

 それから、ドラムの響き。

 そこにどんどん音が重なっていく。

 会場が急に明るくなり、舞台には6人の少女たちが躍動している。

 そして、歌が始まる。

 増幅されているのか歌声はよく通る。 

 それになかなかの上物だ。

 こういうの好きなやつはいそうだ。


 警備は、まあまあってところか。

 舞台袖には…

 2人の屈強なボディガードと小柄なおっさん。

 あ、あいつみたことあるぞ。

 もしかしてキリシュのおっさんじゃないか。

 こんなところでボディガードの仕事をしていたか。

 とにかく引退したなんちゃってSランク。

 なんとかなるだろう。

 こっちも、Aランクのわたしらだけじゃない。

 あの剣変態がいる。

 超A級、人間最強ムサシという爺さんだ。

 本来なら、英雄と称されてもおかしくない。

 ただ、人間性に問題があった。

 悪者も斬るが、強ければ英雄も斬る。

 そう、強いやつと戦えればそれでいいという奴。

 だから、A級にとどまるが、本来ならS級以上。

 あの、双頭の虎レナードが勝負を避けたというやつだ。

 

 強いやつの匂いをかぎ分けるように戦いに参加する。

 今回もふらりと現れたようだ。

 それを極道会が雇った。

 ムサシにとって、雇い主などなんでもいい。

 日々の宿と飲み代を用意してくれたらそれでいい。

 あと、強い敵。

 わたしらには強い味方だ。

 とにかく、なんちゃってSランクは斬ってくれるだろう。


 下見したところ、障害はその程度か。

 マフィアの力は借りられないが、大丈夫だ。

 わたしらの力ならたやすい仕事だ。

 そして、大金が入ってくる。

 

 わたしは、ライブを見ながら、仕事のタイミングとかを考えるのだった。 

 

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