白銀美桜11
「だから、当劇場を使ってください。
お願いします」
支配人は土下座する。
なんかボロボロだし、あとで治療してあげようか。
「それはいいけど…。
無料ってわけにはいかないわね」
美羽が考える。
「無料でいいにゃん。
こいつは我が眷属にゃん。
ごはんを食べなくても、眠らなくても死なないにゃん。
こき使ってやればいいにゃん」
リムが胸を張って言う。
え。この子なんかやったの?
フリップスさんをあの噛み噛みのおじさんが脅したみたいに。
あとで聞かないと。
「リムちゃん。
そういうわけにはいかないの。
わたしたちはみんなを幸せにするのが仕事なの。
だから、わたしたちに関わる人はみんな幸せにならないといけないの」
「わかったにゃん」
しゅんとするリムちゃん。
美羽のいうことはちゃんと聞くみたい。
スラリムからはリムちゃんに気をつけるように言われてるけど、素直な子じゃん。
「それでは、フィリップスさんと同じで、ライブが終わったら収益を計算して分けるってことにしましょう。
その時に話し合いをしましょう。
それでいいですね」
「虹色様の言う通りでかまいません」
「じゃあ、来週さっそくライブをするってことにしましょう」
「わかりました。
すぐにご用意しましょう」
「それと住むところを紹介してほしいの。
ここに寮があるって聞いています。
そこを使わせていただけたらうれしいです」
「すぐにご案内します。
すぐ裏です」
支配人は、上着を着てすぐにドアの近くに行く。
わたしたちはベルナさんの案内で寮に向かう。
これでやっと住むところを見つけたのだった。