龍王リヴァイア07
我らはベルナ劇場に向かう。
そして、通用口から入り支配人の部屋を目指す。
とにかく鳥の怒り方が半端ない。
それをスライムがなだめているのだ。
支配人を見つけ次第、焼き殺してしまうかもしれない。
我らが部屋に入ると、なんか紙で散らかった部屋。
それに、猫ニャンがソファーに座っている。
どういうこと?
「リム。どうしたの」
スライムが猫にゃんに聞く。
「契約をしに来たにゃん。
そして、こいつと契約したにゃん。
そうにゃん?」
「はい、そのとおりでございます。
わたしはリム様の奴隷にさせていただきました。ごぼっ」
しゃべるたびに血を吐く。
状況がわかんない。
「この劇場はタダで使えるにゃん。
詩織がスピーカーとか置きたいとか言ってたけど、それも問題ないにゃん。
看板をジュエルボックス劇場に変えてもいいにゃん」
この猫ニャンもなにかえぐいことしたのか。
「でも、許せない。
佐那ちゃんのあんなこと思い浮かべた罰だ。
わたしはリムに逆らってでも、こいつを殺してやる」
鳥が身体を炎に変えて、支配人を殴る。
肉の焦げる音、これで支配人は死ぬ。
やっぱり、こいつは連れてこないほうがよかったのでは。
「死なないにゃん。
妾の眷属になったんだから、妾が死ぬまで死なないにゃん」
猫にゃんは楽しそうに言う。
「痛い、やめてください」
半分燃えた支配人は血を吐きながらのたうち回る。
このハゲ、やっちゃいけないことをしちゃったみたいだな。
我も怒っていたが、もうそんな怒りはどっかに行ってしまった。
ひたすら、可愛そうにしか思わない。
我はハゲにそっと手を合わす。
「ぎゃあああああ」
スライムがハゲに近寄って、酸でハゲを溶かす。
「ほんとだ。しなないね」
こいつも怒ってたんだった。
我はこいつらのこと悪魔だって思った。
あっ、一人は本当の悪魔だった。