ベルナ劇場支配人02
明日の午後に契約をするだって。
やった、これで稼げるし楽しめる。
ジュエルボックスの弁護士から連絡がある。
あいつらギャングのフィリップスが後ろについているみたいだからな。
しかし、フィリップスというのは、どちらかというと小さな組だ。
武闘派ということで、一目置かれているだけ。
わたしはジュエルボックスを使って、最大のマフィアとも関係を作るつもりだ。
ジュエルボックスに最近猫耳の少女が入ったみたいだ。
子供なので、わたしの趣味の範囲内ではない。
しかし、マフィアのボスはああいうのが好きみたいだ。
あれをあてがって、フィリップス組を潰してもらおう。
その時ノックの音。
「なんだ」
「ジュエルボックスのリムにゃん。
契約に来たにゃん」
わたしがドアを開けると猫耳が立っている。
「そうですか。でも明日の午後からのお約束では」
「気が変わったニャン。
あとで美羽たちも来るニャン」
「わかりました。
では、リムさんの契約書はこれです」
ひとりでも契約させてしまえば、あとはそいつを人質にして、全員に契約させることができる。
「どこに書くニャン」
「こちらでございます」
「わかったにゃん」
猫耳はペンを取って、自分の名前を書く。
書き終わったとたん、契約書の文章が変わっていく。
やった。とりあえず成功だ。
つぎに奴隷主として、わたしの名前を書く。
「ハハハハハ。
もうこれで、お前はわたしの奴隷だ。
道具として、こき使ってやる」
「にゃん」
猫耳は何が起こったかわからないというような、バカの目でわたしを見る。
まあ、子供にはわからないだろうな。
「この文章を見ろ。
この契約書は奴隷契約書なのだ!
ばかが。
ここを読んでやろう。
良く聞け!
わたしベルナは原初の悪魔リム様の奴隷となります」
え?わたしは静止する。
なんで?
わたしの前で猫耳がいじわるそうな笑いを浮かべるのだった。