龍王リヴァイア06
「ということみたいだよ」
「よくやった、スライム。
我もあの支配人はやばいと思ってたんだ」
いや、劇場でジュエルボックスのライブが見れるって思って喜んでただけだった。
やばい。でも誰も気が付いてないよな。
それにしても許せない美桜たんを奴隷にしようなんてな。
「ちょっと行ってくる」
鳥が部屋から出ていこうとする。
「フェリクスさん。どこへ」
「決まってるじゃない。
あの禿支配人のところだよ。
許せないじゃない」
「それで、どうするの?」
「劇場を破壊して、あいつを殺す!
佐那ちゃんを奴隷にしようとしたなんて、万死に値するわ。
なんか、いやらしいことをするつもりだったんでしょ。
あんなこととかこんなこととか。
想像すら許さないに決まってんじゃん」
この鳥、顔を赤らめているが何を想像したんだ。
「フェリクスさん。おちついてください」
「あの支配人はゆるせないけど、あの劇場は使えるとおもうよ。
だから、フィリップスさんと同じで使えるものは使おうよ」
「だめ。ベルナのやつは許せない。
生きたまま、肉を切り取って魚とか鼠に食べさせるの」
こわっ、この鳥。
「もし死んだら、わしがゾンビにして、支配人として働かせてやる。
そうすれば、劇場はわしらのもんじゃ。
毎日でもジュエルボックスのライブができるぞい」
こいつらぶっとんでる。
我も怒っていたが、こいつらを見てるとすこし落ち着いてきた。
しかし、支配人は殺す一択。
前のチンピラとはわけが違う。
美桜たんをだまそうとしたんだからな。
「まあ、悪いようにはしないよ。
ぼくも怒ってるんだからね。
詩織を騙そうとしたこと、一生かけて償わせてやる。
いまから劇場にいこう。
それでいいよね」
スライムはそう言って、残酷な微笑みを浮かべるのだった。