竜王リヴァイア01
我の山に人間たちが登っている。
まるでありのようだ。
同様にうっとおしい。
潰しても潰しても湧いてくる。
こんなやつら、滅ぼしたほうが世界のためなんだがな。
まあ、次回の魔王会議の議題がまさにそれだ。
人間は生かしておくべきか。
世界を滑る5柱の王でそれを話し合う。
それは人間たちが最近増えてきたうえに、調子にのって我の山に来たりしているからだ。
これはこの100年くらいのことだ。
平原で植物をそだてたり、狩りをしたりしてた猿の一種にすぎなかったのに。
魔力を手に入れて急に世界を自分のものにしようと勢力をのばしだしたのだ。
我も魔力なんて昔から使えるが、たいして使える力でもない。
いままで、恐れて近寄りもしなかった龍の山にもこうして現れるようになったのだ。
べつに食料を求めてというわけでもない。
我に命を脅かされているというわけでもない。
ただ、我の集めている光るものを手に入れるため
我の脱皮した鱗なんかを取りにこんなところに来るらしいのだ。
たしかに我は光るものが好きだ。
それに我の身体は硬い。
しかし、そんなもののために命を捨てに来るというのは理解に苦しむ。
そう、命あっての物種だろ。
さて、そろそろ潰しにいこうか。
あいつらは、一度山に登って集まる習性がある。
まあ、ひとりで我に対抗できないのはあたりまえだがな。
集まっても無理だってわからないのか。
力をあわせればなんとかなると思っている。
ばかなやつらだ。
我は身体を起こす。
そして、立ち上がる。
そのまま、やつらの集まっているところに行く。
案の定、集まっている30人くらいか。
前のやつらは金属の盾をもち、剣や斧を手にしている。
それから後ろのやつらはローブを着て杖を持つ。
我の前にくるばかどもはいつもこんな感じだ。
「ドラゴンが現れたぞ。
みんな準備はいいか」
中のひとりが号令をかける。
そのとたん、我のほうへ火の玉、弓矢が飛んでくる。
なめるな!
この程度でわれと戦おうなんて笑止千万。
我は彼らのほうを向いて、口を開く。
そのまま、ブレスを吐き出す。
我のブレスは目の前の人間共すべてを焼き尽くすのだった。