龍王リヴァイア01
えっ、何だって?
この猫ニャン、何言ってんだ。
「じゃあ、早く行くニャン。
王都がいちばん人が多いにゃん」
「ちょっと待ってよ。リム」
「そうじゃ。ちゃんと話し合って決めるのじゃ」
「でも、人間っていらないにゃん」
何があったんだ。
もしかして、リムの縄張りを人間が荒らしたとかそんなのか。
「生物の多様性って言葉があってじゃ。
人間も生物の一種だから、安易に滅ぼすのは。
SDGSに反するっていうかなんていうか」
じじいがリムを説得にかかる。
「難しくてわからないにゃん」
撃沈。
「人間には文化っていうのがあって、人間の音楽とかいいとおもうんだ。
だから、もう少し様子をみないか」
「賛成。わたしも今は時期尚早だと思うわ」
「我ももうすこし様子をみたほうがいいとおもう」
とりあえず、数で勝負だ。
もし、失敗したら差し違えてでもとめてやる。
美桜たんをこんなわけのわからないやつの危険にさらすわけにはいかない。
じじいなんてもう杖を構えている。
「おまえらも、この前まで人間を滅ぼすって言ってたにゃん。
なんで止めるにゃん」
「それは…」
みんな口ごもる。
「なんか、妾に隠してるにゃん。
この前、みんなでお出かけしてたにゃん。
妾をのけものにして、美味しいものを食べに行ったにちがいないにゃん。
だから、人間を滅ぼすニャン」
八つ当たりか。
「わかった。
我がみんなはなそう。
この前、人間を滅ぼそうかどうか判断するために王都にいったんだ」
我は猫ニャンにこの前のことを説明するのだった。