白銀美桜01
結局、昨日の売り上げは100万ゴルを超えて、その上、あの羽根は1000万ゴルの値段がつくこととなった。
宿のグレードも少しあげて、ゆっくり寝られるようになった。
元の宿って小屋って感じで、べニア板で仕切られたくらいのところだったし。
怖くてゆっくり眠れなかった。
部屋で売上の報告と次のライブの打合せ。
あと、今日のライブを詩織が録音していたらしい。
一曲ごとにビー玉くらいの大きさのミュージックボールに入ってるみたいだ。
きのう、一個コピーして少年に渡したって。
これを大量につくれたら、CDみたいなものができる。
詩織の手作業だからまだ大量にはつくれない。
あと宿で聞いたら、転移師って言う人がいて、絵や写真を神や布に転写できるみたいだ。
だから、写真なんてものもあるみたい。
ただ、一枚でとんでもない値段がするらしいけど。
それにインスピレーションを得て、詩織が作ったのがチェキみたいなやつ。
手のひらサイズの紙に風景を転写することができる。
でも、値段を計算したら一枚10000ゴルってことになる。
まだ物品販売は先のことみたいだ。
次の日、なんか昨日のチンピラのボスとか言う人が宿屋に来る。
お礼参りみたいなものと思ったら、そうじゃなくて。
顔のやけどが生々しくて、すごいこわもての人だ。
でも、昨日の詫びと今日から設営とか手伝ってくれるってことだった。
「どうか。昨日のお詫びに手伝わせてください」
「べつにいいですよ。
準備くらい自分たちでできますし、バダイもいくら払っていいかわかんないし」
「報酬なんていりません。
手伝えるだけで十分です」
「いえ、まだ自分たちでやれますし」
うん、何を企んでいるかわかんないし、ただほど高いものはない。
でも、美羽が断ると、チンピラの人は土下座をしだした。
「わたしたちのためにどうぞ手伝わせてください。
なんでもします。
だから、助けると思って」
なんか土下座のまま、泣き出すし。
うんっていうまで、頭を上げるつもりないみたいだし。
それほど、美羽と一夏が怖かったのかな。
とにかく、少してつだってもらうってことで納得してもらった。
それとファンの人たちによろしく伝えてほしいとのことだ。
何があったかわかんないけど。
そういえば、あの大きなおじさんに昨日のチンピラが吊り上げられてたな。
ボスはたちあがり、早速部下たちに指示を出す。
公園の一番いい場所を取れって命令する。
そして、そのボスの袖を詩織がつかむ。
「なんでもしてくれるんだよね」
詩織は、ボスを捕まえて、なんか話を始めるのだった。