龍王リヴァイア07
そのあとは蹂躙が始まった。
スライムは触手を伸ばして敵をとらえ壁に叩きつける。
鳥は身体に炎をまとい敵をぶん殴る。
じじいは闇の魔法で死なない程度にギャングたちをいたぶる。
我は後ろをついていくだけだ。
本当は我も暴れたいんだがな。
目の前の敵はだんだん上に上がっていく。
たぶん、その先にボスがいるんだろう。
人間の集団は頭を潰せば、終わりって聞く。
次のやつが頭になればいいのに、そういうことはしないって聞く。
理解に苦しむやつらだ。
もちろん、ジュエルボックスは別だ。
美桜たんはかわいいし、歌はうまいし…
絶対女神の化身なのだ。
さて、最後の扉だ。
それも、簡単に開く。
もう、部下たちもあきらめているみたいだ。
我らに向かってこようとしていない。
距離をとって構えるだけだ。
「さて、おまえがボス」
「じゃあ、こいつを焼き殺せば終わりね。
ジュエルボックスに手をだしたことを後悔しながら。
死ね!」
鳥がボスを殺そうとする。
「フェリクスさん。ちょっと待って」
スライムがボスの前に行く。
そして、ボスの顔に手を置く。
「なんだ、この少年は」
「ジュエルボックスの一ファンだよ」
「それで、俺たちをどうしようというのだ」
「うん、もしぼくが止めなかったら、後ろの人たちがあんたらを全滅させるよ。
だけど、ひとつ提案があるんだ。
ジュエルボックスがライブをやるのにさ。
会場の場所をとったり、ステージを作ったり、人を整理したり。
そういうの自分でやってるんだ」
「それで」
「かわいそうだよね!
もっとライブに集中してほしいよね!」
スライムはボスに顔を近づけ、声を荒げるのだった。