龍王リヴァイア06
小男は王都のダウンタウンにある石の建物まで案内してくれる。
「ここ?」
「はい、ここがフィリップ組の本部です。
だから、もういいですかね」
「あけてもらってよ。
あんまり派手にやりたくないんだ」
「えっ、それは。
わたしが組織に殺されます」
「ふうん、じゃあ、ここで殺されるほうがいいんだ。
組織は潰すつもりだから、追われることはないと思うんだけどな。
まあ、死にたかったらいいか」
「わかりました。
開けてもらいます」
小男は玄関の扉のところに行って呼び鈴を押す。
中から体格のいい男が顔を出す。
小男はなにかそいつとしゃべっている。
「じゃあ、はいりましょうか」
「ああ、暴れていいんだな」
もう、美桜たんたちにはちょっかいは出させない。
「うん、でもできるだけ殺さないでね。
あなたたちならできるでしょ」
「まあ、打ちどころが悪くなかったらな」
我は扉から顔を出した黒服をぶん殴る。
ます、一人。
なんか、腹がたってたから力が入りすぎたようだ。
我の横からフェリクスが入り込んで、黒服をひとり爪で切り裂く。
「殴りこみだ。
みんな来てくれ」
どんどん目の前のやつらは増えてくる。
刀とか杖とか持って戦闘隊形をとっている。
「親分に話があるんだけど、呼んでくれない?」
スラリムは男たちに呼びかける。
「だれが呼ぶか」
一人が震える声で言う。
こいつらチンピラも力の差がわかっているんだろう。
足が震えている。
「じゃあ、力づくで行くしかないね」
スラリムが嬉しそうに言うと、それを合図にじじいと鳥が前に突っ込んでいくのだった。