龍王リヴァイア05
なんだ、あいつら。
ジュエルボックスにからもうというのか。
我は彼らの方に進もうとする。
「ちょっと待って。
とりあえず様子をみよう」
スラリムは冷静に我を止める。
「佐那ちゃんがケガでもしたらどうするの?」
鳥もうろたえている。
「こんなところで暴れたら、もうライブを見に行けなくなるよ。
大丈夫、なんかあったらすぐに助けるから」
スラリムの言う通り様子を見ることにする。
しかし、美桜ちゃんに指の一本でも触れたら許さん。
美羽ちゃんと一夏ちゃんだったかな。
2人が前に出て、チンピラたちに応対する。
襲い掛かるチンピラ達を瞬殺。
なかなかやるじゃないか。
しかし、我ら王に比べたら子供くらいの力だ。
「覚えてろ!」
真ん中の小さいチンピラがこっちに走ってくる。
「そいつ捕まえて」
スラリムの言葉に我はそいつの胸倉をひっつかんで吊り下げる。
「こいつを殺したらいいのか?」
「いや、それはまずいだろう」
じじいが我を止める。
「許してください。
お願いします」
足をバタバタさせるだけの小男を睨む。
それだけで、おとなしくなる。
「そいつに組織まで案内させるの。
どうせ、親分とか連れてくるんだろ。
そんなことさせるわけないじゃん」
スラリムは冷たい目で笑う。
「そこでなら暴れていいの?」
嬉しそうにフェリクスも不気味な笑いを浮かべる。
「うん、もう二度と詩織たちにちょっかいをかけないくらいまではね。
それに考えていることもあるんだ。
ぼくたちを案内してくれるよね」
小男は首を激しく縦に振るのだった。
我は小男を地面に下ろしてやるのだった。