龍王リヴァイア04
「あれっ、リヴァイアさんだ」
少年が我に話しかける。
こいつは、みたことないけど、あのスライムか。
「ぼくはスラリムだよ」
「おまえは、こんなところで何をしているんだ」
「ぼくだけじゃないよ。
あそこにフェリクスさん、そしてあのおじいさんがノスフェラトゥ」
なんだ、ケットシー以外全員そろっているのか。
そう言えばフェリクスのやつ、フェニックスの羽根とか出して目立ってたな。
「それにしても、さっきのあれはなんだ。そこの鳥!」
我はフェリクスに一言言ってやる。
「え、なんのこと?」
空の王はとぼける。
「だから、フェニックスの羽根を渡してジュエルボックスの歓心を買おうなんてせこいぞってことだ」
「もちあわせがなかったんじゃない。
しかたないよ。
それにしても佐那ちゃんていい子だね」
「でも、リヴァイアだって金貨を渡したじゃん。
リボンなんてもらってさ。
ありがとうございましゅって噛んでたじゃん」
スラリムが足をバタバタさせて笑う。
「殺す!」
このぐにゃぐにゃ野郎、見ていたのか?
「おまえらみんな下品じゃよ。
スラリムも財布ごとわたしてたじゃないか。
それで、なんかもらったんじゃろ」
じじい。ナイス。
なんかもらったって…
まあ我もだがな。
「うん、これは…
ぼくの宝物、いつでもジュエルボックスの歌が聞けるんだ。
それにじじいだって緊張してひとこともしゃべれなかったじゃん」
え、いつでもあの女神の歌がきける。
そんなものあるのか?
「なんだと。スライム。歌が聞けるだって、あの美桜たんの歌が。
それをよこせ。
我の宝物庫の宝全部と交換しよう」
それでも悔いはない。
我にはこのリボンとその宝具があれば他にはなにもいらない。
我はスラリムを追いかける。
その時、女神たちに近づく3人のチンピラが目に入る。
我らは追いかけっこをやめて、そいつらの動きを目で追うのだった。