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マルコフ芸能事務所ゴルドン01

 俺はこの劇場の劇場主ゴルドンだ。

 マルコフ芸能事務所というところに属している。

 アイドル中心の小劇場を経営している。

 

 元々は裏の稼業をやっていた。

 いちおう、どこの国でも、興行を仕切っているのは、裏のものとなっている。

 やはりいろいろなトラブルもあるし、もともと身分の低いものの仕事だったという歴史もあってそういうことになっている。

 パトリック王国のフィリップ芸能社ももとはギャングの組織だった。

 それが今は堅気の仕事として大きな商会となっている。

 今ではガニア帝国にも劇場を持っているほどだ。

 それはアイドルによって儲けたからだ。

 ジュエルボックスという少女たちのグループはガニア帝国でも大きな劇場や闘技場を満席にする。

 そのグッズ販売とか、チケット、投げ銭などで一回の公演でも相当の利益を上げる。

 俺たちもそれをまねすることにしたのだ。


 アイドルにしてやるというと少女たちは簡単に集まった。

 その中でよさそうな子を集めて、歌と踊りを教える。

 もちろん曲やダンスはジュエルボックスのコピーでいい。

 それでもなかなかの観客が入る。

 そいつらに握手拳やグッズを販売する。

 投げ銭もねだらせる。

 ファンになったい男たちはいわれたとおり彼女たちに課金する。

 自分を滅ぼしてもだ。

 それのほとんどが俺たちの稼ぎとなる。

 アイドルにはこずかい程度の金しかわたさなくていい。

 その上、レッスン代や客の入りが悪いと劇場代として彼女たちに借金を負わせる。

 払えなければ、いかがわしいアルバイトをさせる。

 年齢的に厳しくなると奴隷として売られてしまう。

 それでも彼女たちはジュエルボックスのようになりたくて、ここに踏みとどまる。

 ばかなやつらだ。

 売れても、儲けはみんな俺たちのものなんだけどな。


 さて、そういえば貴族のアズウェルがリサにご執心だったな。

 かなりうるさく言ってくる。

 そろそろいいか。

 リサも18歳。

 アイドルとしては籐が立ってきている。

 アイドルは年々低年齢化が進んできている。


 アズウェルは金払いだけはいいからな。

 かなりの変態だがな。

 リサに耐えられるかな。

 まあ、アイドルは使い捨ての物だ。

 かわりはいくらでもいる。

 新メンバー募集とかかければ、たくさんの少女があつまるのだ。

 もし、壊れたら卒業とか言って入れ替えをすればいい。

 卒業したアイドルには仕事はない。

 だから、借金だけが残る。

 せいぜい、アズウェル卿に可愛がってもらうんだな。

 そうすれば、借金くらい肩代わりしてもらえるかもしれない。

 それは一種の奴隷になるだけだがな。


 わたしはリサを自室に呼びつけるのだった。

 

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