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異世界アイドル転生譚 転生したら魔王たちに推されて最強です  作者: PYON
最終章 ジュエルボックスと原初の悪魔たち
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エピローグ03

 その魔法陣にミサイルが飛び込む。

 普通であれば、爆発して大きなきのこ雲が上がるところだ。

 しかし、ミサイルはなぜか粒子となって消滅する。


 その直後に信じられないことが起きた。

 ミサイルを打ち込んだ基地の上空にそれが現れたのだ。

 もう迎撃も間に合わない上空に。

 そのまま、ミサイルは基地を直撃し、大きなキノコ雲が上がる。

 その日、基地は全滅した。


 その事実は秘匿された。

 軍事基地での核の取り扱いのミスによる事故。

 公式には、そう発表された。

 それによって、世界に核兵器廃絶運動が広まることとなった。

 それだけでなく、大国には魔王のひとりが交渉に訪れた。

 少年の姿の魔王、スラリムは大国に対して様々な要求を行った。

 それを大国は拒否することはできなかった。

 その中にはもちろん核の廃絶も含まれていた。

 それ以降、紛争はすべて交渉により解決することとなった。

 あとは経済力だが、大国は魔王たちに巨額の賠償金を支払うこととなった。

 その上、経済をブロック化することも禁じられていたのだ。

 少年の知恵は、とんでもなく緻密。

 まるで、スーパーコンピューターだった。

 世界を一つ変えれば、いろいろなところに影響が出る。

 様々な影響を計算して、結論を下す。

 少年はまるで棋士のように、何手先までも読んでいく。

 この少年の存在自体が大国にとって枷となった。

 邪なことを考えてもすぐに少年が先手を打ってくる。

 ついに国々は魔王たちに対抗するのをあきらめた。

 そう考えれば単純なことだった。

 武器による戦いは意味のないものとなっただけだ。

 国々は国民のために政治を行うようになった。


 ただ、ある国は文化で世界を支配しようとした。

 支配者自ら魔王たちに刺さるコンテンツを創って、コンテンツで魔王たちを支配しようとしたのだ。

 だが、そんな官製のコンテンツが魔王たちに刺さることはなかった。

 魔王たちだけでなく、バズることさえなかった。

 沼というのは、創れるものではなく、自然に生まれるものなのだ。


 

 魔王たちは国々の政策に口出しすることはなかった。

 ただ、困ったときにスラリムに相談することはできた。

 魔王の島には各国の首脳陣が訪れることとなった。


 結局、世界からは争い事は消えていった。

 魔王たちは、有事の際、どう動くかはわからない。

 君臨はするが統治はしない。

 しかし、彼らが君臨すること自体が抑止力となったのだ。

 いままでにない平和な時代が訪れたのだ。


 ただ、魔王たちは、自分たちの推すコンテンツを謳歌するのだった。


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