白銀美桜07
「わたしたち、もどったの?」
「うん、ここってとばされたところだよね」
「カレンダーは?」
「うん、確認する。
あの時のままだよね」
「じゃあ、いままでのは夢だったの?」
「でも、みんな同じだよね。
異世界でアイドルして…」
「そうそう」
みんな頷く。
同じ夢をみていたの?
そんなことありえない。
いろいろ確認したら、わたしたちはあの時、あの場所に戻されていた。
「元の世界に戻れたの?」
わたしたちに声をかける人。
え、フェリクスさん?
フェリクスさんだよね。
それにリヴァイアさん、スラリムくん、ノスフェラトゥさん。
ってことは……
あの世界は夢じゃなかったんだ。
「はい、戻ってきたみたいです」
「それはよかったでしゅ」
リヴァイアさんが噛む。
「なんかすごい世界だね。
見て回るのが楽しみ」
スラリムくんが窓から外を見て言う。
「魔法は成功じゃ」
ノスフェラトゥさんが満足そうに微笑む。
とりあえず、どうするかを話しあう。
いろいろな確認をしたところ、あの時のあの場所に戻っていることがわかった。
っていうことはお母さんやお父さんにも心配をかけていない。
それは少し安心。
でも、わたしたちは10年もこの世界を離れていたんだから、すごく家族に会いたい。
だから、ミーティングはそこそこにして解散する。
心配なのはリヴァイアさんたち。
と思ったら、詩織が連れて帰ってくれた。
そういえば詩織はかなりのお嬢だったよね。
わるいけど頼む。
わけのわからない構成の4人だけど。
わたしたちは久しぶりの我が家に帰っていくのだった。




