龍王リヴァイア03
我はゆっくりと距離をつめる。
猫以外の悪魔とは会ったこともない。
だから相手の力量はわからない。
たぶん、猫と同様、いや以上と思わないとならない。
猫と戦って感じたのは、猫が本気で戦っていないこと。
猫に遊ばれているように感じていた。
鳥やじじいとは違う。
スライムは最初から戦わないがな。
とりあえず、全力でパンチを繰り出す。
向こうが我を舐めてくれれば、一発くらい受けるはず。
われでも格下との戦いはそうする。
思ったとおりレオラスはその拳を受ける。
拳に巨大な抵抗を感じる。
それはレオラスの見た目以上のもの。
ただ、1メートルくらい下がる。
効いてくれればいいが。
「なかなかのパンチだ。
俺を下がらせるなんてな。
ただ、この程度のパンチで俺を倒すことはできないな。
ケットシーの遊び相手を務めているときいて、少しは期待していたのだが。
期待外れだ」
そう言ってレオラスは拳を引く。
そのまま、我に拳を叩きつける。
我はその拳を受けてしまう。
いや、それは拳ではない。
エネルギーをまとっているのだ。
我は劇場の後ろまで飛ばされる。
そして、壁をぶち破って止まる。
なんて、力だ。
猫とは何度も戦ったことはあるが、これほどの威力ではなかった。
しかし、立てないわけではない。
我はなんとか立ち上がる。
足ががくがくする。
しかし、ジュエルボックスは守らないと。
我はよろめきながらも、レオラスのところに向かう。
そこにレオラスは追い打ちをかけてくる。
いつの間にか我の懐に現れる。
こいつは力だけじゃない。
とんでもないスピードもある。
ぜんぜん、レベルが違う。
そのまま、我の腹にパンチを打ち込む。
そのパンチは我の腹を突き破り背中に突き抜ける。
ためだ。
こいつには勝てない。
というか、戦うことさえできない。
このままじゃ、美桜たんを守れない。
我は絶望に打ちひしがれながらも、レオラスに手を伸ばす。
その手はレオラスを掴むこともできず、我の意識は遠のいていくのだった。