龍王リヴァイア02
「おや、ケットシーの部下の方ですか?」
嘴のついた皮の仮面をかぶったやつが我らに気づく。
我らを猫の部下だって?
あくまで猫と我らは対等。
そういう関係ではない。
あえて言うなら、友…
いやちがうな。我はあいつが大嫌いだ。
「部下ではない。
ドラゴンの王、リヴァイアだ」
「そうですか?
わたしは原初の悪魔の一柱、クロウです。
お見知りおきを」
そう言って大仰に礼をする。
原初の悪魔だって?
猫もそういうものだったな。
あんなめんどくさいのが他にいるのか?
我はげんなりする。
「わたしたちはリムの部下じゃないわ。
ただの友達。
魔王つながりで、つるんでいるだけ。
それより、ここで暴れるってどういうこと?
ここはわたしらにとって聖地よ」
鳥が食いつく。
「そうですか。大事な場所なんですね。
それならここで暴れたら、ケットシーが来ますよね」
「ケットシーの前にぼくたちがおまえらを倒す」
スライムが悪魔たちを睨む。
ふだんはしれっとしているスライムだが、今日は真剣だ。
相手の強さを感じているのだろう。
我も同じだ。
目の前の悪魔共、正直言ってやつらを倒すのは難しいだろう。
あの猫と同等の実力を持っているのだ。
我ら4人でかかっても1人を倒すのがやっとというのが正直なところだ。
それにこの戦いは猫や鳥とやりあうのと違って楽しくない。
とにかく、ジュエルボックスを美桜たんを守らなくてはならない。
命がけの戦闘になるだろう。
我は前に出る。
「そいつはドラゴンだな」
我と同じ戦士タイプの黒マントが前に出る。
「そうだ。我はドラゴンの王、リヴァイアだ」
俺は吠える。
「俺はレオラス。獅子の悪魔だ」
レオラスは黒マントをはぎ取って、我の前に出るのだった。




