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異世界アイドル転生譚 転生したら魔王たちに推されて最強です  作者: PYON
6章 ジュエルボックス帝都ツアー
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ガニア帝国皇帝クロノス04

 結局30分以上前に劇場に入った。

 側近たちは威厳がどうのこうのいうが、関係ない。

 飲食もだめだ。

 いつもは観てやるだが、今日は観せてもらうだ。

 まわりのやつらにも説明した。

 今は帝国の危機なのだ。

 しかし、みんな、信じてくれない。

 わたしの誇大妄想だって思っているのだ。

 普通に考えてみろ。

 こんな状況で王国がただの芸人を送り込んでくるわけがないだろ。

 なんかまわりがあわただしい。

 皇帝クロノス様ご乱心とか言ってた。

 そうじゃないんだ。

 しかし、誤解を解くのはあとだ。

 今はこの場を無事に切り抜けるのが先決だ。

 両手にはペンライトというものを持つ。

 これを振り回すのが、応援の作法らしい。

 ペンライトを握る手に力がはいる。


 あと、民族独自の歌や踊りは退屈なものだ。

 我が国の伝統芸能でも間延びして寝てしまったことがあった。

 普段はつまらんの一言ですませばいいが、今日はそういうわけにはいかない。

 そんなことをしたら国際問題になってしまう。

 いろいろ考えているうちに幕が開く。


 キラキラとしたステージのセット。

 そこに6人の少女が現れる。

 いきなり照明がついて、ノリのいい音楽が始まる。

 舞台挨拶もなしに、歌が始まる。

 センターにいるのはあの美羽とかいう娘。

 躍動感あふれるダンスと迫力のあるビート、息がぴったりあった歌。

 わたしは一瞬で引き込まれる。

 自然と身体が動いてしまう。

 わたしはペンライトを振り回す。

 あっという間に終わる曲。

 そして間髪入れずに次の曲が始まる。

 3曲終わってから、MCとなる。

 そこで、わたしと帝国に対しての礼やメンバー紹介をしてくれる。

 わたしはそのたびに大きな拍手をする。

 それは、義務的なものではなく、心からの喝采だ。


 あっという間に最後の曲となる。

 静かで哀しい感じのバラードだ。

 わたしの目がなぜかうるんでいる。

 

「これでステージは終わりです。

 拙い歌とダンスを観ていただいてありがとうございます」

 美羽たんが最後の挨拶をする。

 いやだ、これで終わるのはいやだ。

 もっと観たい。

 わたしは叫ぶ。

 アンコール、アンコール。

 まわりもわたしに合わせてコールをする。

 会場が大きなうねりが起こる。

 そして、幕があく。

 わたしは必死で手をたたく。


「アンコールありがとうございます」

 美羽たんがそういうと、アンコールの曲が始まるのだった。

 幸せな時間はまだ続くのだった。

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