龍王リヴァイア02
河童の上にじじいの黒い雷が落ちる。
河童は黒焦げになる。
じじいにウンコマンは禁句だからな。
なぜか知らないが普段はボケているだけのじじいだが、この言葉を聞くと激昂する。
たぶん、いやな思い出があるのだろう。
そのとき爆音がする。
何かが爆ぜる音。
「あーあ、汚れちゃったじゃん。
酒のシミってとれないんだよ。
早く洗濯しないと」
いつの間にか鳥が立っている。
その周りには瓢箪の破片。
この鳥、力技で脱出してきたな。
「で、河童は?
ぶっ殺してやらないと気が済まない。
この戦闘服を汚したんだからな」
たしかに我もはっぴを汚されたら切れるかもな。
「じじいが倒した」
我は消し炭を指さす。
「あんだって。
じじい余計な事しやがって」
「すまん、あいつがわしのあだ名をよぶから、ついカッとなって」
「歳をとると気が短くなるからね」
「じゃあ、猿はわたしが倒すわ」
「おさるさんはぼくだよ」
スラリムも黙ってない。
俺たちは、最近本気で戦ったことはないからな。
神の眷属なら、久しぶりに本気を出せるかもしれないし。
河童とブタは期待外れだったがな。
「何、おもしろそうなことやってるにゃん?」
え、この語尾。
いつの間に来やがったんだ。
俺の目の前には猫ニャンが現れていた。
「もしかして、お前がケットシーか」
猿も猫ニャンに気づく。
「ケットシーのリムにゃん」
「ちょうどいい。
お前を倒して原初の悪魔の座をいただく」
猿はそう言って棒を振り回すのだった。
我は面倒なことになる予感にスラリムたちとともに頭を抱えるのだった。




