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異世界アイドル転生譚 転生したら魔王たちに推されて最強です  作者: PYON
6章 ジュエルボックス帝都ツアー
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暗殺者モーリス06

 さて、アンナは失敗したみたいだな。

 腕利きの暗殺者だって聞いていたが、たいしたことはない。

 あの程度の戦闘力で真向から戦おうだなんてな。

 一流とはいえないな。

 それにただのパフォーマンスとされてしまった。

 それにしても、彼女は強いな。

 あんなふうにされるなんて相当の実力差が必要だ。

 剣闘士の中にはわざとピンチを演出して、逆転勝利で会場を沸かすやつがいる。

 そいつといっしょだ。

 本当にぎりぎりの戦いではそんなことはできない。


 それと周りのメンバーたち。

 彼女たちは何もしなかった。

 相手の実力を理解していたのだろう。

 それとメンバー対する信頼。

 残りのメンバーもかなりの実力者だと思っていい。

 

 ただ、俺には特別な力がある。

 闇魔法の使い手なのだ。

 その中でも影魔法に長けている。

 暗殺者には適した能力だ。

 影を自由に操ることができる。

 

 あと、ターゲットはあの美桜という歌い手だ。

 ジュエルボックスはあの子の歌がないと成り立たない。

 他のメンバーを殺しても、ライブ自体続けることができるだろう。

 だが、あの歌がなくなるとジュエルボックスではなくなる。


 さて、時間はないぞ。

 俺は歌姫のところに走る。

 この少ない時間で舞台をなんとかしないとならない。

 みんなあわただしく動いている。

 もちろん大工の俺が近づいてもわからない喧噪。

 

「おい、看板をつけられるか?」

「いや、時間がない」

「じゃあ、撤収だ。

 すばやく片づけろ」

「はいモーリスさん」

 最低限の指示だけ出して、舞台裏に行く。

 アイドルたちは椅子に座って休憩をとっている。

 もちろん、臨戦体制にはある。

 俺は美桜に近づく。


「すみません。

 きちんとつけたつもりだったですが」

 もちろん仕掛けどおりだ。

 舞台の振動でゆるむようになっていた。


「大丈夫です。誰もケガしていないし」

 美桜は微笑む。

 本当にいい娘だ。

 この子を殺さなくてはならないなんて、心が傷む。

 しかし、仕方がない、俺はプロなんだ。


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