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異世界アイドル転生譚 転生したら魔王たちに推されて最強です  作者: PYON
6章 ジュエルボックス帝都ツアー
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暗殺者モーリス05

 いよいよ明日だ。

 衣装係にもぐりこんだ仲間から確認の暗号が届く。

 俺だけでも大丈夫なのだが、念には念を入れてあと二人が入り込んでいる。

 誰かひとりが成功させればいい。

 ただ、この考えは危険だ。

 責任が分散されるからだ。

 球技でちょうど真ん中のボールが来たとき、譲りあってしまうことがある。

 そういう現象が起きてしまうのだ。

 そのため、俺たちは単独で動いている。

 最低限の連絡しかとらないし、やり方は各人に任せられている。

 ターゲットも分散する。

 俺はあの歌姫美桜だ。

 他の二人は別のターゲットを狙っている。

 べつに3人を殺しても目的は達せられる。

 俺たちの敗北はひとりも殺せなかったときだけだ。

 かなりのイージーモードだ。

 そのときの保険もかけられている。

 やれやれ、共和国のお偉いさんは心配性だ。


 ただ、ひとつの条件は衆目の中で暗殺を行うということだ。

 控室で死んでいても事件は隠蔽されるかもしれない。

 対応の時間を与えてしまう。

 帝都でのライブは別の子でってなるかもしれない。

 だから、ライブの最中に殺す。

 これが今回の難しいところだ。

 民衆が証人となってニュースは大きく報じられるだろう。

 そうなると、両国ともに動かざるおえない。


 あと保険だが、スナイパーというやつを雇っているらしい。

 スナイパーは100メートル以上の遠隔から魔法で礫を飛ばすことがせきる暗殺者だ。

 基本的に成功率が低い。

 遠隔からの攻撃は困難だし、一度外してしまうと物陰に隠れられてしまう。

 とにかくあまり期待は持てない。

 ただ、今回のやつはとにかく一撃必殺のトップスナイパーとのことだ。

 共和国としても奥の手だから、使わないに越したことはないみたいだ。

 あくまで保険というかたちだ。

 近く皇帝や大統領の暗殺に使うこともあるだろうから、こんなイージーな仕事につかうのはもったいないということだろう。


 今日の舞台設営のときに仕掛けを作っておいた。

 それが発動したら、一斉に行動を開始する。

 簡単な操作で後ろのロゴ看板が落ちるという仕掛けだ。

 その時、一瞬でもライブが止まって、警備や騎士がアイドルを護ろうとするだろう。

 その一瞬の混乱時に仕事を完了する。

 まわりにわからないまま、殺す方法なんていくつでもある。

 この裏方の仕事をしていてジュエルボックスのことがすごく好きになった。

 みんなに元気を与える存在。

 それを消し去るのに何も思わないわけではない。

 しかし、これは仕事だ。

 俺はプロの暗殺者だ。

 俺は暗殺の最終チェックを進めるのだった。

 

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