堕天使ゴクウ02
カラス仮面の名前はクロウという。
彼が言うには、この世界には原初の悪魔が6人いる。
そのひとりがクロウだ。
俺が負けた悪魔もこいつだ。
その悪魔の席は決まっているという。
ただ、そのうちのひとりはほとんどここに来ないという。
彼らはこの世界に君臨する。
といっても何をするわけでもなく、基本は見ているだけだ。
世界というものは自分で勝手に安定する方向にすすむとのことだ。
すこしイレギュラーなことがあっても、すぐに修復されてもとに戻る。
あたかも見えない神の手が導くように。
ただ、世界は大きく変化するときがある。
そういうときには悪魔が動くという。
こいつらは世界を観るものだ。
だから、神と言ってもいい存在。
神は天界にいるが悪魔は地上にいる。
それではなぜ、彼らが悪魔と呼ばれているかだ。
それは世界が変化するときに大きな破壊をするからだ。
それは戦争または災害という形をとる。
そのときは多くの人間、動物が殺される。
そのため、彼らは悪魔と呼ばれる。
「昨日、戦ってみてわかった。
おまえらはなかなか強い。
もし、昨日もおまえたちが油断しなければ、苦戦していただろう」
こいつは俺たちの力をわかっている。
さすがにこの世界に君臨するやつらのひとりだ。
「それで情報とはなんだ」
「さっきわたしたちのひとりがほとんど会議に出席しないといった。
そいつについては、わたしたちも手を焼いているのだ」
「それで?」
「もしそいつが倒されたとしたら、悪魔の席はひとつ開く。
もし、お前たちがそいつを倒したのなら、その席を譲ることもやぶさかではない」
「そいつは強いのか」
「まあ、原初の悪魔のひとりだ。
簡単には倒せないだろうな。
しかし、わたしたちの中ではいちばん身体も小さく最弱ではある」
「おまえほど強くないというわけだ」
つまり、そいつを倒せば、やつらの中に入り込める。
そうして、やつらの隙を伺えばいい。