堕天使ゴクウ01
俺はゴクウ。
猿の神だ。
すこし調子に乗りすぎて、天界を追い出された。
それで、この地上でてっぺんをとってやろうと、原初の悪魔とかいうやつと戦ったんだが。
完敗だ。
くちばしのついた皮のマスクのやつひとりに倒されてしまった。
こちらは俺ひとりではない。
ブタのハッカイ、河童のサゴジョウと3人がかりでだ。
2人とも俺ほどではないが、そこそこ戦えるやつらだ。
それがいとも簡単に蹴散らされたのだ。
それで、この城に捕らわれている。
もうお手上げだ。
確かに悪魔は強い。
しかし、俺たちは地上のやつらを舐めていた。
天界の中級神くらいなら勝てる俺たち。
上級神には手も足もでなかったが、地上のやつらに負けるなんて全然思っていなかった。
最初から真剣にやっていたら、あんな一方的な勝負にはならなかったはずだ。
俺の実力をほとんどだせないままに終わった。
しかし、いくら俺たちでも、この状況は絶望的。
あの悪魔が5人もいるのだ。
あとは殺されるだけだ。
その時、牢獄の扉が開く。
そこに立っているのは、あのくちばし仮面。
「生きてるか?」
「ああ、なんとかな。
しかし、ここは退屈だ。
早く殺してくれ」
「おい、こいつらを放してやれ」
「どういうことだ」
「すきにするといい」
「また、お前を殺しに来るかもしれないんだぞ。
今度は前のようにいかないぞ」
「ああ、問題ない」
「わかった。
また、この世界で暴れてやるぜ」
「それで、ひとつ情報をやろう。
選別がわりだ」
カラスの仮面の男は俺たちに向けて語り始めるのだった。