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異世界アイドル転生譚 転生したら魔王たちに推されて最強です  作者: PYON
5章 ジュエルボックスと帝国侵攻
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王都軍兵卒アボット07

 身体が動かない。

 全身の筋肉が悲鳴をあげる。

 あの戦争から三日経ったあとのぼくだった。


 ゴーディをとらえた後、ぼくは王都に戻った。

 その時、今回の戦争で隊長をやってくれたキリシュさんが近づいてきて労ってくれた。

 この人も八本剣のひとりだ。タスキにそう書いてある。

 それ以外にジュエルボックスのマネージャーをやっているんだ。

 二足のわらじってやつだな。

 ぼくたちはジュエルボックスの話で盛り上がった。

 

 今回の戦争では、ぼくがいちばんのお手柄らしい。

 なんでも敵の大将を掴まえたのだからって。

 近々正式に軍への就職を要請するとのことだ。

 でもぼくは戦うのが好きなわけではない。

 ちょっと考えさせてもらうことにする。


 それにしても、帰り道でだんだん身体が動かなくなってしまって、途中で倒れてしまった。

 まわりのみんなもそう、ひとりひとりその場でうずくまってしまった。

 そうだよな。

 ぼくたちは全部を出し切ったんだ。

 戦いなんてしたことのないぼくたちが帝国の一軍を退けたんだ。

 できすぎだよ。

 ぼくはこう思う。

 これはジュエルボックスのおかげ。

 ジュエルボックスのみんなが臆病なぼくに勇気をくれたんだ。

 そして、ジュエルボックスを守るためにぼくは戦ったんだ。

 すこしくらい自分をほめてやってもいいよな。

 そう思いながら、ぼくは意識が遠くなっていった。


 目覚めたときはベッドの上だった。

 まるで野戦病院のように簡易なベッドが並べられていた。

 その上で呻いているのは、こないだの戦争に参加した若者たち。

 まるで、戦争に負けたのかって感じの様相だ。

 ぼくも一瞬、あの勝利は夢だったんじゃないかと思ったくらいだ。


 でも、あれは現実だった。

 なのになぜぼくたちが倒れているかって?

 それは全員が筋肉痛になったからだ。

 それも重度のやつ。

 考えてもみてよ。

 ぼくたちって普段なんの運動もしていないし、鍛えてもいないんだ。

 そのぼくたちが自分の身体を限界を超えて動かしたんだ。

 なんでも、ゴーディに飛びついたときのぼくなんて人間技じゃなかったらしい。

 無我夢中だったんで覚えてないけど、走っている馬に飛び乗るなんてできるわけがない。

 火事場のバカ力ってやつだろう。

 とにかく、身体中すべての筋肉が痛くてうごけない。

 

 でも、また王都が危機になったら、ぼくたちは戦うんだろうな。

 大切なものを守るために。

 だから、軍隊にはいるはいらないに関わらず、筋トレをしよう。

 今度からこんなことのないようにね。

 ぼくは強く誓うのだった。

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