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異世界アイドル転生譚 転生したら魔王たちに推されて最強です  作者: PYON
5章 ジュエルボックスと帝国侵攻
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マネージャーキリシュ14

 やっぱりフェリクスの姉さんの強さも半端ない。

 たぶん、やつらの中でも一番弱いやつらだろう。

 動きを見ればわかる。

 動きが遅すぎるのだ。

 それでも、圧倒的に勝利している。

 もしかしたら八本剣健在って思ってくれたかもしれない。

 そうなるとここから引き上げてくれるだろう。

 また、せめてくるんだろうが、少し時間稼ぎができる。

 その間にウィラードがなんとかしてくれるだろう。


 それで次は俺が出るべきだろう。

 じじいと子供は戦力に数えていない。

 子供は頭は切れるみたいだが、いかんせんまだ子供だ。

 リヴァイアのおっさんと仲が良くていつもつるんでいるだけの子だ。

 いくら帝国軍で一番弱い部隊といっても、前線に出すわけにはいかない。


 それに今日の俺はなぜかすごく調子がいい。

 普段なら雑魚相手といっても、すぐに身体が音をあげる。

 体力がもたないのだ。

 それなのに今日は全然疲れていない。

 さすがに朝の瓦版の目覚まし占いの占いランキングで乙女座が一位だっただけある。

 

 俺は前に出ようとする。

 その前にスラリムが前に出る。


「じゃあ、ぼくがいくね」

 軽く言って、道化師の前に行く。

 道化師の顔にあざけるような笑み。

 そうだよな。

 スラリムって生意気だけど、子供だからな。

 簡単に倒せる、そう踏んだんだろう。

 スラリムはバックにおっさんや姉さんがいるから気安く前に出たんだろう。

 しかし、これは戦場なんだからな。

 いうなれば殺し合いなんだ。


 道化師はかくれんぼを提案してきた。

 いつの間にか目の前に3つの箱が現れている。

 パピオンはその中のひとつから顔を出す。


「わたしがこの3つの箱のどれかに隠れています。

 それを当てていただきましょう。

 3回チャンスを上げます。

 もし、その間に見つけられなかったら、あなたの命はいただきます」

 そう言って、手に持った帽子を掲げる。

 もしかして、これはさっきスラリムがかぶっていた帽子。

 いつの間に。

 

「これがどういう意味かわかりますよね。

 わたしにはいつでもあなたを殺せるんですよ」

 道化師はそう言って笑う。

 

「さあ、命がけのゲームに挑んでください」

 道化師はひとつの箱の中に入ってドアを締めるのだった。

 

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