第六師団中隊長ゴーディ08
ファーゴは長い槍を使う。
それも、騎馬戦が得意だ。
つまり、ファーゴには負ける要素はない。
馬で近づいて槍で刺し殺すだけだ。
あの場所から動かないのなら、ファーゴ相手に攻撃する手段はない。
「では拙者が相手を仕ろう。
拙者はファーゴ、串刺し公と呼ばれている。
獲物はこの朱槍だ。
その円から出ないという約束を違えるではないぞ」
「わかってるわ。
あんた程度の雑魚、それでもハンデが足りないくらいよ」
どういうことだ。
どう考えてもあの女に攻撃手段はない。
「わかった、お前を串刺しにしてやろう」
ファーゴは騎馬で駆け出す。
そして向きを変えて女に向かう。
ファーゴは女に近づいたところで突きを繰り出す。
それを女はギリギリで躱す。
いや、違う。
ファーゴがわざと外したんだ。
たぶん、遊んでいるのだ。
ファーゴは一撃で倒せるのにいたぶってから殺そうとしているのだ。
この状態では女に攻撃の手段はない。
一方的にファーゴが攻撃するだけ。
一度、離れてはまた戻ってくる。
そのすれ違いざまにするどい突きを繰り出す。
女のぎりぎりのところを狙って。
ファーゴの顔に歓喜の色。
そう、こいつは弱いものをいたぶるのがすきなんだ。
「そろそろ遊びは終わりだ
つぎは右腕だ。
ほんとうに突くぞ」
そう言って右から突きを繰り出す。
女はなんとか身体をねじって躱す。
「ほう、これを躱すとはな。
大口を叩くだけあるな。
しかし、そこからはわたしを攻撃できない」
「ふうん、簡単だけどね」
「ぬかせ。」
では、本当の攻撃を見せてやろう」
そう言って、槍をまわすファーゴ。
そのまま、女に近づく。
そして、高速の突きの連撃を繰り出すのだった。