第六師団中隊長ゴーディ07
なんだ、あのおっさんは。
怪力無双ジェイソンが瞬殺だなんてな。
ふざけた恰好をしているが、本物の八本剣だ。
ちゃんと八本剣って書いたタスキをしているし。
まさに八本剣だったんだ。
あいつはやばい。
「とりあえず、次だ。
今みたいなつまらんやつを出してきたら、おまえら、わかってるだろうな」
やつは俺を指さして睨む。
なんだ、この目力は。
俺は怯んでしまう。
「つ、次は」
だれだ、こんなやつと戦えるのは。
俺は必死で考えを巡らせる。
そのおっさんの後ろから頭を張る女。
こいつも八本剣というタスキをかけている。
この女も八本剣なのか。
この部隊には八本剣が3人。
いや、ゴードンを倒した兵士。
あいつも八本剣だろう。
やはり中央は最強の部隊が守ってたんだ。
おっさんと女の口喧嘩が始まる。
なにか次は誰が戦うかでもめているらしい。
「だから、トカゲはバカだっていうのよ。
この前、手加減しなくて失敗したの忘れたの?
やっぱ、トカゲは脳みそが足りないの。
全然学習できてないじゃない」
おっさんに女が説教する。
「じゃあ、おまえは手加減ができるのか」
「ええ、見てなさい」
女は、自分の足をロープで縛る。
「おいトカゲ、わたしの手首を縛ってくれない」
リヴァイアはいわれたとおり、女の手首を縛る。
「これでいいわ。
わたしはこれで戦うから、次の人を出してくれない?
それとこの場から円から一歩でも出たら、わたしの負けでいいわ」
女は地面に自分がぎりぎり立てるだけの円を書いて、俺たちにそう言う。
「それなら拙者が行きましょう」
串刺し公ファーゴだ。
こいつは下級貴族だが、戦場で戦うことにエクスタシーを感じるため、前線に身を置く変人だ。
俺はファーゴの申し出に頷くのだった。