マネージャーキリシュ12
むこうでは、ゴーディが大きな仮面の男に話しかける。
次の相手はあいつか。
まるで山のようなおおきさ。
リヴァイアのおっさんも大きいほうだが、頭ひとつ大きい。
力対力といった戦いになるのか。
「今度は我が相手をしよう。
我は八本剣のひとり、破壊竜リヴァイアだ」
おっさんは前に出る。
普通はシリアスな戦いなんだが、はっぴにタスキだから全然そんな感じはない。
「俺は怪力無双ジェイソンだ。
お前を潰してやる」
片手を開いて、組み合うポーズをとる。
力比べをしようといったところか。
おっさん、別に乗らなくていい。
体格差をみてもおっさんに不利だ。
「いいだろう」
おっさんはジェイソンに組み合う。
力比べの態勢。
ジェイソンは力を込める。
そのまま、押し込もうとする。
この戦い、下がったほうが負けだ。
体重を乗せて押しているが、おっさんも引かない。
とにかく五分の戦いとなっている。
ジェイソンの筋肉がより盛り上がる。
勝負をきめようとしているのか。
仮面をかぶっているので、表情はわからない。
しかし、かなり力を込めているのだろう。
それを受けているおっさん。
すごい力があるのだろう。
ただ、完全に互角なのか膠着状態になっている。
「それでは力をいれていいぞ」
おっさんがジェイソンを挑発する。
うまい。
こういう時は相手の神経を逆なでするのだ。
相手を怒らせるのは常套手段。
「なんだと!」
ジェイソンは歯を食いしばりながら答える。
「だから、まだ組み合っただけではないか。
力比べをやってやろうというのだ」
「おまえは力をいれていないとでもいうのか」
「ああ、まだ、組んだだけだろ」
おっさんはあくびを噛み殺しながら、ジェイソンに言うのだった。