革命家マルクス06
わたしたちは兵士の後を進む。
王宮への道、そこにわたしたちはなだれ込んだ。
城に続く道だ。
もちろん、普段はちゃんと警備されているんだろう。
だが、今はみんなが王宮へと向かっている。
それにしても、何か違和感を感じる。
なんか、普段みているものがないような…
そうだ、いつも我々を見下ろしているようなあの建物。
城がなくなっているのだ。
どういうことだ。
城の上半分が吹っ飛んだようになくなっている。
それにまわりも瓦礫だらけ。
さっきの地響きはこれだったのか。
もしかして地震。
いや、でも、そのあとの余震がない。
それにこれだけの破壊力のある地震にしては短すぎる。
戦争。
帝国の飛空兵器が城を飛ばした。
でも、この時期になぜ。
それにしては、空に飛空物体はない。
そこにきらびやかな服をきた人間が逃げてくる。
あれは王だ。
まわりのものも王族。
式典とかで顔をみたことがある。
その王を大きな男が捕まえる。
そのまま、宙につかみ上げる。
あの男は。
リヴァイア氏。
彼もジュエルボックスのためにここに来たのか。
同志よ。感謝する。
「おまえが王か?
なんか見たような顔だが」
リヴァイア氏は王に問う。
それだけで王はがくがくと震える。
リヴァイア氏はいいひとだけど顔が怖いからな。
あの王、たぶん漏らしているんじゃないかな。
「違います。
わたしは城の下働きの者です」
王は全力で否定する。
いや、ちょっと無理あるだろ。
「そうか。なんかいい服をきてたからそうかなって思ってな。
悪かった。
王ならぶん殴ろうと思っていたんだ。
わが推し、美桜たんをいやらしい目でみてたからな。
王を知らないか?」
リヴァイア氏は王を下ろす。
信じたのか?
おかしいだろ。
リヴァイア氏はいい人すぎだよ。
顔は怖いけど。
王は脱兎のごとく逃げ出す。
「違う、あれが王だ。
リヴァイア氏だまされたらだめだ」
わたしは叫ぶ。
「王!」
「王がいたぞ!」
「捕まえろ!」
まわりのものが騒ぎ始める。
王は逃げ出そうとする。
そして、そこに民衆は殺到し、王たちは取り押さえられるのだった。