不死の王ノスフェラトゥ02
「あの骸骨戦士たちを倒せ!」
「わかった。戦士なんて我らの敵ではない」
「そう、魔法こそ最強。魔導士こそ最強」
なんか、ローブを着た5人がわしの前に出てくる。
もしかして、あいつら侍従長とかいうやつらか。
こいつらなら、オスナとガーランドを止めてくれるかもしれない。
フィギャーを失うのは惜しいが。
そんなにレアと言うわけではない。
この程度のやつらなら、すぐにまた出てくるだろう。
たぶん10年に一人程度のやつらだ。
「こいつらはアンデットだ。
炎と聖攻撃に弱い。
炎のオーガスとわたし聖人アーロが行こう。
他の者は足止めをしてくれ」
炎に聖か。
まあ、他の魔法より少しはましだろう。
お手並み拝見といこうか?
「アンデットども!
わたしはノスフェラトゥ・ウンコマンの再来と言われた魔導士。
オーガスだ」
今なんと言った。
しかし、わしはノスフェラトゥ・アルトマンじゃけどな。
「そうだ。我らは大魔導士ウンコマンの加護を受けてるんだ」
もしかしてわしのことか?
後の世は非業の死をとげたものを称えるという。
怨霊となって祟るのをふせぐために。
菅原道真、平将門のように。
って誰だそれ?
わしは大魔導士とされているのか?
だがウンコマンというのはあだ名じゃ。
それも、わしをバカにするあだ名なんじゃ。
「ウンコマン、ウンコマン」
魔導士たちはその名を連呼する。
ちがうんじゃ。わしはアルトマンなんじゃ。
一度、腹をこわしてウンコをもらしただけで、そのあだ名がつけられたんじゃ。
一度だけなんじゃ。
「ウンコマン、ウンコマン、ウンコマン」
わしの脳内にあの暗黒の時代がよみがえる。
その名で呼ばれ、パシリに使われ、こずかいをせびられ、挙句の果ては王の墓に埋められたあの頃が。
「黙れ!」
わしは杖を振る。
そのとたん、闇が魔導士どもを包む。
あ、これ、即死魔法じゃった。
やばい。
そう思ったけど、すでに遅く、魔導士たちは全員その場で息絶えるのだった。
やっちゃった。