龍王リヴァイア02
「おまえも殺しているではないか」
我はスラリムに声をかける。
なんか触手を伸ばして肉塊をつかんで地面に何度も叩きつけている。
あれって人間だよな。
もう原型はとどめてないけどな。
「あ、これは違うんだよ」
スラリムは正気に戻る。
こいつがこんなに取り乱すなんてあまりないことだな。
何があったんだ。
スラリムの前に騎士ではない7人が対峙している。
もしかして、こいつらが八本剣とかいうやつらか。
それで、さっきスラリムが叩きつけていたぼろ雑巾がそのうちのひとりというわけか。
でも、キリシュが八本剣は相手にするなって言ってたな。
こいつらを倒したら全面戦争になるって。
やばいんじゃないのかな。
「どうしたの?」
「なにがあったんじゃ」
鳥とじじいもこっちにやってくる。
「いや、スラリムが八本剣のひとりをやっちゃったみたいだな」
「それってやばいやつじゃなかったかな」
じじいは記憶をたどる。
ただ、こいつの記憶はあてにならない。
なんせ、ボケてるんだからな。
「スラリムだめじゃん」
鳥がスライムを叱る。
「だってさ。
こいつ、言っちゃだめなことを言うからさ」
「どうせ。おまえのこと子供だとかちびだとか。
そんなくだらないことじゃろ。
それぐらい我慢するのじゃ。
若いな」
「でも、ぼくはかなりの期間生きているよ」
「わしに比べたらじゃ。
わしは3000年は生きてるんじゃ」
何自慢だ。じじい。
「それで、こいつ何を言ったの?」
「ジュエルボックスのパフォーマンスが低俗だとか下品だとか…」
「なんだと!」
「なんじゃと!」
「何っ?」
我ら三人はスライムの言葉に反応するのだった。