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第1話:生まれて飛び出てジャジャジャジャーン!!

ドーモ、皆さん。ミホシ=ヒトデデス。

本作は早海ヒロ先生作「闇に染まった死神は、怠惰で強欲な聖女に忠誠を誓う」の二次創作です。


「やっちまいなよ そんな偽物(二次創作)なんか!!」

「何とでもなるはずだ!!」

「ガンダムだと!?」


というわけで欲望にあらがえず動いた結果誕生したのがこちらです。

本当に申し訳ない。


そんなこんなで生まれた本作で、ぶっちゃけ連載一本抱えてるにもかかわらず更に倍プッシュしたマヌケが僕です。

無計画な馬鹿と笑いなさい。


とにもかくにも本編開始。

拗らせちゃった系バカが異世界に転生してもう一度死ぬまでのお話です。

暇な人は、どうか最後までお付き合いください。








 暗い、暗い、何もない場所にいた。


 一寸先どころか、自身の指先も見えないような、深い、黒の中に。


 全身が、ゆっくりと融解して、ほどけていく。


 俺という1人の人間が。


 私という1人の生命を構築していたものが。


 僕という1つの人格をなしていたものが。


 自分という個を定義していたものが。



 じっくりコトコト煮込まれたカレーのジャガイモのように、消えていく。



 俺を包み込む、優しい暗がりに身をゆだね、抵抗の余地すらなく力が抜けていく。



 自分の最期が、蕩けた脳みそでさえ明確に知覚できるのに、むしろそれが、望ましいものに思える、不思議な感覚。



 恐らくは、俺の周りを満たすこの生暖かい闇は、僕と同じ人間たちの、あるいは私と同じすべての生命の成れの果てなのだろう。



 ………まぁ、これで終わるのならば、それはそれで悪くない。



 自分のような、どうしようもない、救いようのない腐れ外道には、出来過ぎた終焉だといえよう。



 ゆっくりと重たくなっていく体を横たえ、鉛のような倦怠感が脳を支配する。



 大きく、末期の息を吸って、吐いて。




「………ん?」




 はるか前方、目も眩むような白を見た。


 あたたかな闇を切り払い、焼き尽くすような白が、こちらへ迫ってくる。



 ─────アレは、ダメだ。



 アレに飲まれては、ダメだ。



 わけもなくそう直感するが早いか、全力ダッシュで逃げ出そうとして、体がまるで動かない。


 もがく俺の眼前に、圧倒的な白が迫る。




 無意味で、そして何よりも愚かなことに、存在しない両手で顔を庇おうとして。




 俺は、赤子の泣き声を聞いた。
































「ん、むぅ………」



 目が覚めた。


 知らない天井だった。


 あと、頭痛い。


 気分悪い。


 喉が渇いているせいで、口の中がひどく粘ついている。


 ふかふかベッドの誘惑を振り切って体を起こし、めまいがした。


 ベットサイドのテーブルに置いてあった水差しからコップに水を注いで、一気に飲み干し。



「………」



 綺麗な青髪をボブカットにした中学生くらいのメイドさんが、( ゜д゜)って感じの顔で私を凝視していた。

 なんか気まずいので、ぺこりと頭を下げ。


「だっ」

「だっ?」

「だだだ旦那様!!お嬢様がっ、お嬢様が目をお覚ましになられました!!!」



 そう叫びながらドアをぶっ壊すような勢いで走り出したメイドさんが、ドタバタガッシャンズッドンと騒音を鳴らして転びつつ走り去っていく。

 どうしたものかと考えて、とりあえずベッドから降り。



「………うん、美幼女だ」



 姿見に映っていたのは、美幼女だった。


 不思議そうに自分を見つめ返す深紅の瞳に、まだ幼いながらも整った顔立ちはすでに傾城級。


 順当に成長すれば某国民的アイドル集団とか1000年に1人の美少女とかそういうレベルになることを予感させる、前世なら間違いなくロリコンホイホイと化していたであろう、絶世の美幼女。


 唯一にして致命的な欠点を上げるとすれば、髪色が黒────正確には、鴉の濡れ羽色の髪に、赤黒い水玉模様────とかいうファンタジー仕様なところか。


 ………一瞬、某奇妙な冒険の終わりがないのが終わりされたマフィアのボスが脳内に過ぎった。


 どうでもいいけど、パッショーネ24時をもう見れないのが、少しだけ悲しかったりする。


 ………しっかし、アレだな、私、見れば見るほど美幼女だな。


 マジでアイドルとか目指せるんじゃないのか?


 露出度高めのフリッフリのドレスなんか来た日にゃ\(・ω・\)SAN値!(/・ω・)/ピンチ!な事態になりそうだからやらないけど。


 ………実際のところ、直近かつ最大の問題は、中身が()なのでどうやってどうにかして幼女ロールプレイを身につけないといけない事だが………正直言って、そこの心配はあまりなかったりする。

 なぜなら。



「ジュジュ!?よかった、貴女、目を覚ましたのね!?」

「よかったっ、ほんっとうに良かった!!もう、二度と会えないのかと………」

「ぐえっ」



 暴走列車もかくやと言わんばかりの勢いですっ飛んできた筋肉もりもりマッチョマンの大男とボインの美女に押しつぶされた。


 大男の方は、まだいい。

 自分の筋力を理解しているのか、号泣しながらも私がプチッと潰れないように手加減してくれているのがよくわかる。


 だがボイン、テメーはダメだ。


 複雑怪奇に変形した巨乳に顔面を塞がれて普通に息ができない。


 というかヤバイこれ普通に死ぬ!マジで死ぬ!!

 自我を取り戻して数分で乳圧に潰されて圧死とかシャレにならん!!


 ぬおぉぉっ!唸れっ、命のタップ!!!



「ご、ごめんなさいジュジュ!!私ったら、感極まっちゃって………」

「けほっ、けほっ………ううん、大丈夫だよ、()()()()も、心配させちゃってゴメンね?」

「いいんだ。親が子の心配をするのは当たり前のことだ。本当に、本当に、ジュジュが無事でいてくれてよかった」

「にへへ~………ありがと、パパ」


 私の体をコワレモノでも触るみたいにそっと抱きしめるパパンに笑いかけて、巌みたいな顔からツーって感じで涙がこぼれる。



 ………うん、全部、覚えている。



 4歳の誕生日パーティーの時に食べたケーキがすっごく美味しかったことも。


 小学校の頃、兄貴が買ってきたドラゴンボールのフリーザ編でガチで絶望したことも。


 メイドさんに四つ葉のクローバーを渡してあげたら喜びのあまり泣き出しちゃってとても困ったことも。


 中学生の頃、母親が変なカルトにのめりこんでおかしくなった事も。


 5歳の誕生日、パパンが仕事でいなくって、少し寂しかったことも。


 ………あの日、私が見捨てた、あの子たちのことも。



 これが意味することは、即ち。




「転生するにしても、このパターンかぁ~………」

「? ジュジュ、何か言ったか?」

「何も言ってないよ?」


 拝啓、皆様。


 私、転生しちゃったみたいです。




次回予告


ひょんなことから異世界に転生しちゃったジュジュちゃん!


さっそく家の探索に出かけたはいいものの、この家、何か変?


|─────────|

|         |

| ゾ ぶっ 幼  |

| |       |

| ン 殺し 女  |

|         |

|─────────|


次回「栗原ァ!窓ねぇぞおぉおおお!!!」


 ぜってぇ見てくれよな!!


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― 新着の感想 ―
[一言] 原作から飛んできました! ミーム満載で実にだいすこなタイプの物書き様だと思います!きっとおそらくたぶんメイビー! 今から最新話までできる限り読んで更新を待つ人間になります! 応援します今から…
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