謎の飴
3年前姉が死んだ。原因不明の死だった。僕は受け入れることが出来なかった。もし姉に何かあったのなら助けてあげたかった。今でもそう思っている。
僕は高校2年生の奈津影悠火。東京生まれの東京育ち。
今は父親、母親、僕の3人で暮らしている。
家から近くの駅まで徒歩10分。電車で3駅乗ればすぐ学校だ。
いつものように電車に乗り、席が空いていたので座る。
すると2駅目で止まったところでおばあさんが電車に乗ってきた。周りを見渡すと席が空いていないことに気づき僕は何も考えずに席を譲った。
その時おばあさんがこういった。
「あらすみませんありがとうね」
と優しい口調でお礼をかけてくれた
すると
「お礼にこの飴を貰ってくれないかしら。私の昔から大好きな飴でねぇ〜」
「あっ、すいません、ありがとうございます」
さすがに受け取らざるを得なかった。
しかしその飴のパッケージを見てみるとなんの言語かよく分からない文字が書いてあったがそれを聞く勇気はなかった。
電車をおりて学校へ向かう。駅から3分で学校だ。すると
「よっ!悠火!」
と後ろから声が聞こえた。
「おはよっ」
眠い目をこすりながら僕は返す。
この人は僕の友人の佐波玲人。黒髪で天然パーマのかっこいいやつで毎日楽しい生活をおくれている。
玲人が話しかける。
「今日小テストあるけど勉強してきたのか?」
「もちろんノー勉だよ。まだ前期だから内容も簡単だしね。」
「そう言っといて全然できてないパターンだろ」
「いや出来る。大丈夫だって」
そして問題の2限のテスト
「ぜっ…全然わからん…」
僕は絶望した。かなり絶望した。
全ての授業が終わり家に帰る。
学校が終わって自分の部屋もどる。
「今日も疲れたなぁ…」
「そういえばおばあちゃんに貰った飴があったな…」
僕はポケットに突っ込んだ飴を思い出し食べることにした。
「あのおばあちゃんが食べたことのある飴ならさすがに大丈夫だよな…」
パッケージの文字のせいでとても不安になる。
取り出してみると色は普通のりんご飴っぽい色をしている。
おそるおそる僕は飴を口に運び舐めてみる。味はなんの味かよく分からないけどフルーツ系だったので普通に食べきることが出来た。
その時右手に何かが入っているような異変を感じた。