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間
純ちゃんがこれから語る内容が、僕の異世界生活を一転させる。なぜかそんな予感がした。
「昔の村にはなー、実はタモさんみたいな若いやつが、ぎょうさんおった」
「えっ!?そうなんですか」
冷静になってどういうことか考えてみる。純ちゃんのことだから、自分達が若かりし時は若い人が多かったというオチではないだろうか。
「それって50年前とかの話じゃないですよね?」
いつもならすぐさま何かしらツッコミがありそうだが、特に何もなく、しばらくの間が続いた。この間がなぜだか、とてつもなく長く感じた。