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一筋の光

僕が振りかざした剣(木の棒)は、ゴブリンに腕にガードされたものの、確実に腕に命中した。

 そして、砕け散る。僕のマイソードが。


 再びゴブリンが襲いかかってくる。先ほどと変わらぬ勢いのまま。おそらく、ノーダメージなのだろう。


 万策尽きた。大した策もなかったが、これ以上出来ることは思いつかない。


 このまま防戦一方で、ジリ貧になるのは目に見えている。何だか頭がボーっとして、考えることを放棄したくなった。


 短い異世界生活もこれで終わるのだろうか。振り返れば、というほどここで生活していない。思えば地球での生活も振り返るほどの思い出はない。


 いけない。弱気になっては。と思いつつも、手に力が入らない。次第に手がブルブルと震えてくる。ゴブリンの攻撃もかすり始めてきた。


 嫌だ。ここで終わりたくない!その思いとは裏腹に、この世界で僕は終わりに近づいていることをヒシヒシと肌で感じる。


 夢に見た異世界生活。こんな形で終わりたくない。その思いとは裏腹にゴブリンの右ストレートが僕の顎にヒットした。


 ここまでか。思い残すことはない。とは言わないが、何をこの世界に言い残そう。思いのまま、言葉にしよう。


「僕のささやかな異世界生活はここで始まり、ここで終わる。誰の記憶に残ることもないが、ささやかな僕の思いをここにそっと置いていく」


 そう呟いた後、ゴブリンの左フックがボディにヒットした。


 終わった。これで終わりか。


 そう思って、地面に突っ伏していると、微かな光が見えた。幻想だろうか。


 いや、違う。間違いなく、地面が光り輝き始めた。ゴブリンも面食い、その場で立ち往生している。


 何だこれは。これはもしかして!?

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