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プロローグ 不思議な鑑定使い。

ひっそり新作です!

応援よろしくお願いいたします!!







 冒険者稼業というのはとかく、戦闘能力がある、という前提がある。

 だからこの日――。




「【鑑定】しかできない役立たずは、やっぱりクビだ!」

「くそ……!?」



 ――クエスト終了後、そう宣告されるのは目に『視えて』いた。

 何故ならボクにあるのは、平々凡々な【鑑定】の力だけ。そのアイテムが役に立つのか、どれくらいの値打ちがあるのか、それを調べるだけ。

 おおよそ商人にでもなるべきだと、そう言われて仕方ないものだった。



「戦闘能力もない奴は、冒険者なんてやろうとするな! 死んだら俺たちの責任になるし、パーティーランクだって落ちるんだぞ!!」

「で、でも……ボクは、ボクなりに……!」

「口答えするな!」

「……!」



 でも、諦めきれない。

 ボクは必死に、自分のいる意味を説明しようとした。

 だって魔物を鑑定することで、ボクの目には敵が『どのように攻撃してくるか』というのが分かっていたのだから。言い訳がましいが、そのアドバイスを無視して危機に陥ったのはリーダーの判断ミスに他ならない。



「分かったら、今すぐ荷物を抱えてどこかへ行くんだな!!」

「…………くっ!」



 それでも、弁明の機会すら与えられなかった。

 だとすれば仕方ない。でも、一つだけ気になったから――。



「……分かった。でも――」



 ボクはリーダーへの最後の忠告として、こう告げた。





「どうか明日、アークドラゴンの討伐に行くのだけはやめてほしい」――と。











 ――クビを宣告されてから、数日後のことだった。




「……そう、か」

「あぁ、クリスのパーティーは壊滅。生存者はゼロ、ってことらしい」



 ボクのもとに、彼らの死の一報が届いたのは。

 教えてくれたのは同時期に冒険者となった青年、リキッド。彼の専門は基本的に、剣術による前衛職。【加速】の力によって、素早く敵の弱点を突く戦法は多くの同業者から評価されていた。

 今では王都アビノス最大のパーティーとなった『白狼』で、切り込み隊長として活躍している。ボクのようなはぐれ冒険者なんかとは、雲泥の差だった。



「でも、また当たった、な」

「え……?」



 そんなリキッドが、ふとそんなことを言う。

 首を傾げつつ彼の顔を見ていると、蒼の瞳を細めつつ青年は静かにこう続けた。



「お前の【鑑定】だよ。……『アークドラゴンの討伐はやめろ』って、あいつらに警告していたらしいじゃないか」

「それは、そうだけど……?」



 そう言われて、ボクはあの日を思い出す。

 どうしてその警告をしたのか、というと理由は自分でも信じられなかった。だって、そうだろう――『彼らがアークドラゴンに斃されるのが視えた』なんて。

 一種の予感に近いそれだったが、悲しくも的中してしまった。



「お前、最初に会った時から話してたよな。自分の【鑑定】は少し変わっているみたいだ、ってさ」

「……うん、そうだね」



 たしか他のパーティーに入ろうとしていたリキッドに、当時弱小だった『白狼』への加入を勧めた時だったろうか。最初こそ青年からは怪訝な顔をされたが、今ではこのように仲良くしてくれていた。

 でも、だからどうしたのだろう。

 そう思っていると、リキッドはこう口にした。



「実は、さ。ウチのリーダーが、お前に興味あるんだってさ」

「え、アクシスさんが?」

「おうよ」



 ボクは驚いて、さらに首を傾げる。

 アクシス・リーデンクライスといえば、最強の冒険者と名高い人物だった。そんな人が何故、ボクのような弱小冒険者に興味を持つというのだろう。

 そう考えていると、リキッドが言った。



「とりあえず明日、一緒にきてくれないか?」――と。



 すると、彼の言葉を耳にした瞬間だ。



「…………ん、えっと?」




 ――ある光景が『視えた』のは。

 ボクはそれに眉をひそめるが、しかし首を左右に振る。そして、



「分かったよ。それじゃ、明日」



 そう、答えるのだった。




「それなら、よろしく頼むぜ。――ミトス!」



 リキッドはそう言って笑う。

 ボクは彼の表情を見ながらも、念のためにある準備をしようと考えるのだった。




 


次の話はたぶん夕方に!




面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!




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― 新着の感想 ―
[一言]   私は外国人ですので、日本語の文章表現に間違いや分かり難いところがあります。ご容赦ください。   プロローグだけ見ると、最初から鑑定は未來予知みたいの動き働きます、最初のバーティはそれは…
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