主人公
今度の主人公は、恐らく難儀じゃの。え、いつの間に村へ戻って来たとな?スキップしたんじゃよ。この物語は、主人公とは関係ないからの。散歩からの主人公を見つけた時の会話を、お主は何度も見たいかの?見たくはないじゃろう、わしも面倒じゃ。何せ、一言一句全く同じ会話じゃからの。読むのも見るのも、退屈じゃわい。見たかったのならば、お主は変わっておるの。
ほれ、ほれほれ。これだけ話していても、一向にあの主人公は話しかけてこん。村を探索しておるんじゃ。この村には、探してもアイテムなんぞ隠れておらんというに。もしくは、バグでも探しておるんじゃろ。稀にあるんじゃ、物語を作った者も気が付かないような異常がの。わしの知っている限り、この村にあるバグはひとつじゃ。
さっきこの村にアイテムなんぞ隠れておらんと言うたが、実はあるんじゃよ。わしの後ろにある草むらに、回復薬がの。しかしわしがここに居るから、主人公は後ろの草むらを調べることが出来んのじゃ。主人公が村に居る間、わしはずっとここに居るからの。どれだけ探しても、唯一の隠されたアイテムは取れんと言うわけじゃ。かっはっは、傑作。ウケるのお。
「おや、目を覚まし
そこはスキップするんかい。嫌な予感がするのう。嫌じゃ嫌じゃ。ああ、やっぱりそうじゃ。わしに話しかけた後、村の者で二人ほど会話が変わる者が居るんじゃ。あの主人公は、一人目を見つけてしまったの。村中に声を掛けまくっておる。違うその者ではない、青い服を着ている女性じゃ。何故その者にだけ声を掛けぬ。
「おや、目を覚ましたようじゃの。何、自分のことを覚えておらんとな?それならば、となりの町へ行ってみると良い。お主の事を、知っているものが居るかもしれぬ。村の外には魔物が出るからの、村で装備を整えて行くと良い」
わしに話しかけたところで、もう何も変わらんわい。早う装備を整えて、村を出るんじゃ。
「おや、目を覚ましたようじゃの。何、自分のことを覚えておらんとな?それならば、となりの町へ行ってみると良い。お主の事を、知っているものが居るかもしれぬ。村の外には魔物が出るからの、村で装備を整えて行くと良い」
変わらんわい。もう早う行ってくれ。いやいや早う行けとは言うたが、そのまま行くんじゃない!装備を整えてから行くんじゃ。何度言わせれば気が済むんじゃ、しっかり読むんじゃ。ほれ、瀕死。分かりきっておったがのう。観念して、装備を整えておるわい。
「おや、目を覚ましたようじゃの。何、自分のことを覚えておらんとな?それならば、となりの町へ行
早う行け。はあ、今回は疲れたのう。バグでアイテムが取れないことを笑ったから、バチでも当たったかの。流石に、もう戻っては来ないじゃろう。流石にの。さあ、そろそろ次を探しに散歩へ行こうかの。