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1章 1. 狼王とルイの記憶
よろしくお願いします!
『ルイ。お前は将来、我の後を継ぐことになる。』
「…あとをつぐ??」
『そうだ。これは決して変わることのない運命なのだ。我がそうしてしまった。』
師匠みたいになるってことかなぁ。師匠と一緒ならいい。
「るい、師匠、みたいになる!」
『……選択肢をやれず、すまない。』
せんたくし?。師匠とずっと一緒にいたい。それだけ。だからせんたくしなんてなくていいよ。無い方が嬉しい。
『情けない限りだ…。』
「るいが決めた。師匠、悪くない。」
ただ私がそう願ってるだけ。師匠は悪くないよ。
それなのに、なんで、そんな顔するの?。どうして、そんな寂しそうな悲しそうな瞳で私を写すの?。泣きそうなのダメだよ。
元気にならなきゃ。
私はもふもふと師匠を摩った。
すると、師匠は私のまるまるした赤い頬をペロッと優しく舐めた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈当時3歳。
捨てられた私が森で出会った銀色の毛を持つ気高い狼。ーー師匠。
名も持たない私を救ってくれた美しい狼。
その瞳に惹かれ、出会ったその日から私はずっと彼に着いて行くことを決めた。