第十四編〜第十六編
第十四編 生の試練
生の重荷をになって生きる人々にとって
この世界は貴方達のものだ。
しかし、生の重荷を拒んだ人たちは
遠い見知らぬ地で自己自身を燃やしつくしていくしかあるまい。
だが、いかなる人々にとっても、青春の思い出は永遠に生き続けていて、
一切の下界を照らし、又、富ます。
心乱れた放浪者は見知らぬ地で今日もさまようしかあるまい。
しかし、ある光がそこを照らすと、そこはたちまち懐かしい故郷の
野山となって放浪者をだきとってくれるのだ。
第十五編 さすらいびと
私はさすらいのたびを今日も続ける。
だが、柔らかな春の日差しが私を引き止めた。
地上の旅人にすぎぬ私達が哀れな放浪を続けようとも、
春は再びめぐってきたのだ。
見上げればまだ、太陽は輝いている。
古代バビロニアを照らしたままに、輝いて。
普遍の太陽に照らされているとき
私はしばしの安らぎと癒しを得ることができるのだ。
だがいつもはそうではない。
地上を雨に打たれながらさすらうしかないそれが私達の運命だ。
第十六編 永遠に
永遠なるものとはなんだろう?
私はそれのみを求める。
いつかこの高配しきった都市に
永遠なるものが訪れ
翠の大地の息吹をあたえてくれるように。
私はそこで安らぎを見出したい。
春風が凍りついた地表を解き放ち
瞬く間に若い春の芽を育むように、
私の心の中にもまどかな静けさが
まるで御伽噺のように語られるように。