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入学式のご挨拶と猫使い

学園生活と猫

今年の新入生代表挨拶に選ばれました。

と言ってもご挨拶程度なので、誰がやっても良い様な気もします。




中等部までは、だいたい各派閥の一番爵位の高い方の子息子女が、持ち回りでやる事になっているそうです。




今回はボルネオール侯爵家の番でした。




それなのに、他派閥の侯爵家の次男の方から、もの凄い目で睨まれています。

あの方は今後、要注意ですね。




それからシルバーの事ですが、まだ姉達以外の誰にも部屋で飼っている事はバレていません。

私が授業を受けている昼間は、いつ抜き打ちチェックが入っても良い様に、外で遊んでいる様です。




ある日、教室移動中にシルバーが、何匹もの学園猫達を従えているのを目撃してビックリしました。




部屋に帰ってから聞いてみたら

『前のボス猫に勝ったので、シルバーがボスになった。』んですって。




お陰で学園の内外に、まさかの猫による情報網が出来てしまいました。

学園猫達はかなり頭が良く、だいたいの子達は人間の言葉が解るそうです。




コレで格安で、しかも人間が侵入出来ない狭い場所にまで情報網が出来ました。




コレが東洋にいるという、『忍猫(*1)』というものなのですね!




その内、犬も手懐けてみるのも良いかも知れませんね。




…出来ませんでした。

犬を触って来ると猫達が嫌がるのです。

残念……




数日後、事件が起こりました。




ピピナのペンが無くなったのです。

皆んなで心辺りを探してみましたが、見つかりませんでした。

「お父様とお母様に入学祝いに買って頂いた大事なペンでしたのに……。」

そう言って泣き崩れてしまいました。




いったい誰の仕業なのか解りませんが、ピピナを泣かせるなんて許しません!




『忍猫』出動です!




とりあえず、目撃()探しから始めましょう。

初等部の近くにいる子達に、シルバーを介して質問してみたら、すぐに目撃()が見つかりました。




ただし、相手は猫なので人物の特定は難しそうです。




解ったのは、何人かの男の子達がピピナの机の周りで遊んでいたという事。

その中の1人が何かを踏んで、慌てていた事。




そこへピピナが戻って来てペンが無い事に気付いたらしい。




とりあえず、その場にいた人達の特定かしら?

ピピナに『その時教室に居た人を覚えているか?』聞いてみたわ。

残念ながら覚えていなかった。

「いつも教室で本を読んでいる、グレース様なら何か知っているかも?」

と、いうカールの意見で彼女に聞いてみる事にした。




「え?2日前の昼休憩に教室に誰が居たか?」

彼女は少し考えてからこう答えた。

「ゴルド侯爵家の人達(派閥)が居ましたわね。

教室内で騒いでいたから、『読書の邪魔』と注意しましたけど、まったく聞いてくれませんでしたわ。」




ゴルド侯爵家というと入学式で私を睨んで来た方ね。

確か『レグスト・F・ゴルド様』……



―――――――――――――――――――――――


※1

【忍猫】


もちろん、そんな者は居ません。

東国から『忍者犬』の話しが伝わって来る間に、間違った情報が伝わったようです。

続きは木曜日。

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