初めての事件2
【黒いイロガラス】は、その後も貴族や裕福な商人の屋敷に入り込んでは、貴金属を盗み続けています。
鍵の掛かった宝石箱からも、盗んで行くのですから、コレはもう誰かがテイムしているのは、間違いありません。
皆さまそう思って、【黒いイロガラス】を追いかけましたけど、相手は魔鳥。
とても追いかけるのは、無理みたいです。
【黒いイロガラス】に、大事なペンダントを盗まれて以来、母様は寝込んでしまいました。
父様と母様の大事な思い出を、盗むなんて許せません!
でも、衛兵隊や騎士団が追いかけても、誰も捕まえられない魔鳥を、どうすれば捕まえられるのでしょうか?
そこで、私は今年から学園に入学した姉に、手紙で相談してみました。
悪知恵の働く姉の事です。
きっと何か良い案を思い付くはず。
そう思って手紙をアークに頼んだら、帰りに姉の返事を持って帰って来ました。
早くないですか?
姉の返信には、
『お友達に試作品で貰った銀メッキのスプーンを2つ入れておきます。
コレを囮りにシルバーとアークに、追いかけさせなさい。」
と、書いてありました。
なるほど、ケットシーの血を引くシルバーと元スパイのアークなら追いかけられるかもしれません。
早速、やってみましょう。
最近はどこの家も、【黒いイロガラス】を警戒して、(アレがカラスじゃないのを、知っているのは我が家だけみたいです。)貴金属は、屋敷の奥に仕舞っているみたいですから引っかかるかも知れませんね。
チャンスは、2回……
必ず母様のペンダントを、取り返してみせます!
翌日、私は囮りのスプーンとティーカップを自室のテーブルの上に置いたまま、椅子で寝た振りをして、カラスモドキ(黒いイロガラス面倒)を待ち伏せしました。
すると、案の定カラスモドキはスプーンを咥え、外へ出て行きました。
それを見て私は、態と声をあげてシルバー達に合図を送ります。
「きゃあ!たいへん。
カラスが私の銀の匙を盗んで行ったわ。(棒。」
後は、頼みますよ!
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*1
誰かさんが作った銀メッキ。
実は凄い技術でした。
続きは来週月曜日。