間話 聖なるお祭り
年末おまけSS
《小説家になろう》のみの掲載です。
今日は、我がユイナーダ王国の始祖リュート様が始められ、後に全世界に伝わったという、聖なる祭【ボント・ショーガツ】です。
意味不明な言葉ですが、きっと何か深い意味があるのでしょう。
元々はリュート様の居た世界にある冬のお祭りなのだとか。
ただこのユイナーダ王国では、真逆の夏に行われます。
去年収穫して置いた【コメ】という雑穀を蒸してから、木製の臼と杵で領主や村長などその地の権力者が、【餅つき】をして皆に振舞うのです。
もちろん、1人で餅をつき続けるのは、無理があるのでその後継者や身内の男性等が、手伝う事になっています。
だいたいは、当主の次が後継者候補です。
私はまだ小さいので父様の持つ杵に少し手を添える程度ですが。
ですから毎年、父様は【餅つき】の為に苦労しています。
【餅つき】の後の『筋肉痛』が痛いのですって。
父様、魔術師ですから。
しかし、今年は違います。
何故なら今年は姉の提案で身体強化で、筋力アップしているからです。
もちろん、日々のトレーニングも欠かせませんが……
私は何か嫌な予感がします。
男性陣が【餅つき】で盛り上がっている間、私達女性陣は【ショーガツ飾り】を作ります。
始祖様が考案したという【オリガミ】で沢山飾りを折っていくのです。
一番大変なのは【ツル】という鳥です。
見た事ありませんが爵位が高いほど沢山折らなければなりません。
我が家は公爵家なので4000羽です。
糸で繫いで玄関先に飾り付けるのです。
中には、使い回しをしている家もありますが我が家はきちんと毎年折っています。
我が家の4000羽のツルも素晴らしいですが、ロピアー公爵家の5000羽のツルも素晴らしいです!
姉の婚約者、ナルキス様は何故かツルを折るのが上手で、私はツルの折り方をあの方に習いました。
因みに姉は折り紙が苦手です。
ナルキス様的には当時唯一姉に勝てる事だったので、自慢したかっただけなのでしょうが……
さて、そうこうしているうちに【餅】が突き終わったみたいですね。
それでは、皆さま良いお年をお迎えください?
因みに父は翌日から何時もより酷い筋肉痛で3日間寝込みました。
それでは皆様、良いお年をお迎えください!




