戦闘力高い系の探偵譚
「ここが日本か…」
空港から出て少ない荷物を肩に掛けそう呟く歩く一人の男がいた
男はスマホの地図を見ながら目的地に向かい歩いていると女性にドスッと当たってしまった
「あっ…すいまs」
急ぎの用があったのか女性は焦った様子でどこかにいってしまった
悪いことしたなぁと反省しつつ目的地についた場所は都心より少し外れた所にある従業員一人の職場
次の俺の居場所
「ここが烏野探偵事務所か…ん?」
「聞いてくださいよ!後輩が……」
事務所の中から女の人がなにか不満げに誰かに話かけている、恐る恐る事務所に入ると杖を持った若い男性が女性の愚痴を頑張って聞いているが少し退屈そうだ相槌の合間にこっちに気付いて会釈してくれたそれを返そうとすると
「あっいらっしゃったのですね依頼ですか?」
すごい仕事とプライベートのスイッチが早いなぁと感心していたら杖の男性が口を開いた
「はじめまして、僕の名前は烏野 ジンと言います。君がアーロン・ガラティくんかい?」
俺は答える「そうだ」
それを聞いた烏野は
「よかったー間違えなくて外国の方って聞いたから英語喋らなきゃって緊張したけど日本語話せたんだね!」
なんか元気な人だなと呆気にとられてると
「彼女の名前は山本 ノノ 警察官で僕の事件の解決を手伝ってくれているんだ」
「はじめまして、山本です。あなたのことは先輩から聞いています」
「さっそくなんだが依頼が来ていてね手伝ってくれるかい?」
断る理由がない「わかった」
「それは良かった僕の車に乗ってくれ」
「私、用事があるので失礼します」
俺は少し期待をして車に乗った
山本さんが適当な理由で帰った訳が分った気がする
「いやー助かったよ猫って探すの大変だからさ」
「あの…なぜ猫?」
「あれ?期待してた感じかそれは悪いことをしたな歓迎会をかねて帰ったら一杯飲みに行こうか!
あと呼び名はジンでいいぞ」
事務所からそれほど遠くなく人通りの少ない場所に行き看板の無い店に入る
そこは全体的に暗くマスターがグラスを磨いていた、重低音の声で聞いてくる
「ご注文は?」
「僕はいつもの」
「かしこまりました」
「お連れの方は?」
「彼も一緒で」
「かしこまりました」
マスターが準備をしている間
「ジンさんの行き付けだったんですね」
「そうだよ、ここにはいつもお世話になっているからね」
「あとタメ口でいいよ」
不思議な人だ「了解」
「お待たせしました」
運ばれるドリンク
「ジン…なんの飲み物なんだ?」
「え、リンゴジュースだけど?」
まさかこの隠れ家的なバーに来てジュースを頼むのか不思議な人だと思ったが今が聞き時と感じ口を開こうとするが先に切り出されてしまった
「あの…」
「知っているかい?最近謎の事件が多いこと」
「と言うと?」
「あれ?突然人を襲う事件が最近多いんだけど知らなかったのかい?」
「記憶してないな」
ジンは事細かに教えてくれた
①善良な市民が突然殺人鬼になること
②殺人鬼になったとき人以上の力を持つこと
③気絶をするとなおること
④治った人は殺人鬼のことを忘れていること
このことはもちろん知っている俺はそのためにわざわざここまで来たのだから
しばらく時間がたち
「今日はありがとう
また明日頑張ろうか」
「あっそうそう事務所奥に使ってない部屋があるからそこに暮らしてて良いよ」
探偵としての仕事を覚えての休日気分転換に近くの公園に散歩でも行こうか
あの浮気調査大変だったなぁとか考え事をして歩いていると公園には似つかわしくないものを持ってる男がいた
「おい 包丁なんか持って料理でもする気か」
「・・・!!!」
突然襲いかかってくる!
しかし、当たらない
逆に相手が宙を舞い地面に叩きつけられて折れ込んだ
遅いリズムの拍手が聞こえる
「流石は特殊部隊に所属しているだけはあるね」
後ろから声がした
バッと後を振り替えると
黒いローブに全身をまといフードを深々と被っている
「お前はだれた」
フッと笑うと消えてしまった
誰かが呼んでくれたのだろう
警察が来たのであとはまかせることにし俺は事務所に帰って2人にこのことを話した
「目の前で姿がねー」
「そんな事は現実では起こせないですよ」
山本さんはその件については私がいってきますとでていってしまったが確かに現実味が無い話とは分かっているが少し悲しかった
「ガラティくん?」
「なんだ」
「いや、いいよ」
「…そうか」
それから事件がまた増えてしまったが警察が忙しそうにしているだけのはずだった
烏野のスマホに連絡が入る
警官がやられたらしい命までではないみたいだがてに終えないとそして今は廃工場にいると警察からの依頼だ
現場に行くと山本がいた
「私も行きます」
「あーいいよ、こっちには公園の件のヒーローがいるからね」
「行きましょう」
「言われなくても」
「ああ」
周囲に警戒しながら不審者を探す倉庫の広い空間にポツンと立っていた
相手はふらふらとしているが持っている武器は刀と威圧感がある
こっちは杖と不馴れな拳銃
不安だ
ジンが呼び呼び掛けようととした瞬間
男はジンめがけ斬りかかる
今までの素人の動きではない俺は敵の技を見届けることしかできない
烏野は杖で敵の攻撃を弾き一撃を入れ相手は動けない様子だった
「ジン、今の技は?」
「昔ちょっとね…」
カチャ
「手錠をしたのでもう大丈夫ですあと、応援呼んできます」
「ああ、ありがとう」
そんな話をしていると敵がゆっくり起き上がり異様な力で手錠を破壊する
「へぇ、すごい力だ」
烏野の余裕が怖いが刀をとる気配がないそれどころか素手で襲いかかって来た
「ガラティお前が狙いだ!!」
言われなくても分かっているしかし、体術で俺に喧嘩を売る奴は…
鋭い拳が飛んでくる
「ボクシングか!」
一撃目を避けたが左ブローが腹部に刺さり俺はそのまま後ろに飛ばされ意識が遠くなる
「おい!次は僕と相手をしてくれないか?」
その戦いをみる前に俺は意識を失った
目が覚めると事務所のソファーの上に寝ていた
「あっ起きた」
「なぜ俺がここに…そうだジンは?」
「先輩がここまで運んでくれたよ
あと、先輩は気になることがあるってあの廃工場に行ったよ」
「そうか…なあ、いくつか今回の件について質問していいか?」
「どうぞ」
「凶暴化した人に共通点はあったか?」
「共通してあるのは何かのトラブルぐらいかしら?」
「あと、凶暴化した人は病院にいるわ」
「他には?」
「そうね…関係ないかもだけど夜に教会に行くと悩みが晴れるって噂があるわ」
「なるほど…では、最後に口調が変わっているのはどうして?」
「先輩がいないからよ」
時間を確認し腰に手を当て立ち上がる
「ありがとう山本さん、ちょっと出かけてくる」
「どこへ?」
「事件を解決しに」
山本を置いて外に出た時に聞き覚えのある声が聞こえる
「頑張って ルーキー」
あたりを見渡すが人影なんてひとつもない
俺は気を引き締めて歩いて行った
目的地まで歩きで来たことを後悔ながら扉をあけるそこには烏野とローブに身を包む人がいた
「おっ!ガラティくん教会って解ったんだね」
烏野は視線を戻し
「紹介するよ僕の優秀な部下だ」
「ほう…お前も私を止めに来たのか」
「そうだ」
「ならお前らはここでくたばれ」
ローブの敵は言葉で無い音をブツブツ唱えると二体の人のようなものを繰り出した
俺は、戦闘体制に入ると
「ガラティくんは下がって」
そう言うと烏野は杖から刀を抜く
烏野の覇気に俺も押される
一体が攻撃を仕掛けるが相手にならない
もう一体も攻撃をするが刃の錆びにしかならなかった
するとローブの敵はまたブツブツと唱えだした
「ジン危ない!!」
とっさに烏野に飛び付きしゃがませる
すると後ろのイスが吹き飛んだ
「俺も戦う」
腰から銃をとりだしローブに照準を合わせる
「「一撃で仕留める」」
ローブの敵は呪文を唱えだす
「させるか」
烏野の渾身の一撃は何かを割る音だけでローブの敵には届いてなかった
「もらった!」
俺が放つ弾道はローブの敵の頭に吸い寄せられその場に倒れた
確認のため近づくと頭の穴が塞がっていくが敵意はなく起き上がる気配もない
「あの時はぶつかって悪かったな」
「ごめんなさいもうほとんど記憶がないの…」
「どうしてこんなことをしたんだ?」
「私の弟がストレスから逃げるため死んでしまったの。だから私は、もうそんなことのないようにしたかった…ただそれだけなの」
「それで他人に迷惑をかけたのか」
「迷惑?私の魔法で皆嫌な記憶が無くなってるはずよ」
「ああ、なくなってるだろうな記憶も人も」
「人?」
「そうだ殺人の呪いで亡くなった人だ」
「でもそれは代償として仕方なく…」
「違う、人の命も記憶も要らないからって奪って良いものじゃないんだ」
「でも私は弟のために…」
「お前の弟はそんな事望んだのか?
嫌なことから逃げて人を不幸にしてって頼んだのか?」
「生きて欲しいと…幸せになって欲しいって」
「探偵さん私を殺してくれる?」
「わかった…謝ってきな」
乾いた破裂音が教会に響く
ローブの女性は動かなくなり灰となって消えてしまった
「大丈夫ですか!今の銃声は」
山本さんが慌ててこっちに駆け寄る
荒れた教会の中でしっかり銃を握っていた
「なんで銃を持っているのですか?」
「えっと…敵が使ってて」
「敵ってどこにいるんですか?」
「これ」
ローブに指差し説明したが理解してもらえず凄く怒られ銃も没収された
あれから凶暴化の事件は聞かなくなった
これからも彼らは活躍していくでしょう
おまけ?
あれから数日後
「休日に呼び出してどうしたジン」
「ガラティくん酒飲みに行こう
あの事件について知りたくてね」
「了解」
あの隠れ家的バーに移動する
マスターから酒を受け取り乾いたが切り出す
「三つ質問いいかい?」
「一つ目、あの女性と知り合いだったのかい?」
「顔合わせただけだあと、はじめのローブとは違う人だった」
「二つ目、殺さなくても良かったんじゃないかい?」
「アレは生かすと化け物になってしまうから仕方ないんだ」
「三つ目、なぜそんなに詳しいんだい?」
「一度アレと戦ったことがあるから」
「…ありがとうガラティくんお詫びにプレゼントをしよう」
烏野がマスターに指示すると箱を渡された
「これは?」
「開けたら分かるよ」
少しドキドキしながら開けるとそこにはピカピカの銃があった
「見たことない銃だ どこで仕入れたんだ」
「それは企業秘密だよガラティくん」
「しかし見事な銃だ……」
銃に見とれていると烏野が聞いてきた
「山本にお礼は言ったのかい?」
「銃の没収で?」
「違う違う看病だよ君をずっと看病してくれたって知らなかったのかい?」
「えっ本当に?」
「本当だよ」
「どうしよう」
「プレゼントなんてどうだい?」
「何をあげたらいい?」
「そうだな……」
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「ノノにプレゼント」
「えっ何気持ち悪い」
「…ケーキ食べる?」
「…うん」
美味しそうに頬張る山本その間紅茶を淹れる
「どうしてノノって呼ばれるのが嫌なんだ?」
「コンプレックスよ」
「コンプレックス?」
「そうよなんか文句ある?」
「ない……」
「さあ、明日から仕事よダメな後輩とまた頑張らなくちゃ」
「ただいま~」
「お帰りなさい先輩」
「ガラティくん仕事受けて来たよ」
「どんな依頼だ?」
「猫の捜索だよ」
「最悪だ」
第2章
あの教会の事件から3ヶ月が過ぎあたりはすっかり春らしくなってきて早めの桜も咲いてきたころガラティは一人である目的のため歩いていた
「俺は何をやっているのだろう」ため息をつきながら事務所から見える山に向かっていた
休みの日にあのおばちゃんに出会ってしまったのがダメだったんだろう
「黒猫のルークを探してちょーだい」と言われてしまったからにはおとなしく探している
しかしなぜ山に向かったこと知っているのだろうそんな疑問をしながら目的の霧ノ山の出入り口が見えた
ここを登らないと行けないと思うとだるく感じてしまう
山に入ろうとした時急に背後に人が出たと感じ振り返るとそこに日傘をさして白い洋服が良く似合っている綺麗な女の人が立っていた
不思議に思いながら話しかける
「女性一人で散歩か?」
「いいえ探し物をしているの」
「奇遇だな俺も探し物を探しにここまで」
「お手数ですが私の宝物を探してくれませんか」
悩んだ依頼が増えるのは正直嫌だったが綺麗な人の頼みだし
「いいよついでに探してあげる」
「あっありがとうございます!」
「どんなものなの?」
「指輪に紐を通したネックレスです」
「想い人の?」
「はい」そう言う彼女は頬を染めた
内心悲しくなりながらも「探してくる」と山に入ったがどちらも見つからなかった…
気付けば夕暮れになり帰り道には女性はいないしおばちゃんになんか言われると思って重い足取りで事務所に帰ると山本が事務的なことをしてて驚いた
それに気づいたのか山本が
「烏野先輩ならいないよなんか事件追いかけてるみたい」
「そうか…聞きたいことがあるんだが」
「何?この作業ならあんたの事務所を救うためと暇潰しだけど?」
「いや、霧ノ山についてなんか知らないか」
「霧ノ山?あーそれだったら昔ばなしの類いがあるよ」
「どんな?」
明らかに面倒くさそうな顔をしてから話してくれた――――――――――
「ありがとう参考になった
仕事頑張って」
「え、どっか行くの?」
「近くに安いとこ見つけたからそこで住もうと思って」
「まさかあの物件?」
「みんなあの物件って言うよな」
「…じゃあこの作業手伝ってレディを一人にする気?」
「OKわかったよ」
ここから長い長い彼女の愚直とこの作業が深夜までノンストップで行われるとはまだ了解した時は知らなかった…
寝不足のせいか事務所がやばいせいかとにかく足取りが重い
またあの山に行かなければと思うとだるくなる
山に近づいて来たとき目的の猫が目の前に現れたヤッターと心の中で叫び猫を追いかけるが追い付けない
やはり四足歩行にはかなわないと思っていると山の入り口で猫が待っていた
「結局山に入らなきゃいけないのか」
はぁっとため息していると背後から
「お疲れのようですね」っと声をかけられ振り返ると綺麗な女性が立っていた
「約束守ってくださいね」
「もちろんだ」
短い会話を済ましたあと山に入るがさがさ音がする方向に向かって歩いていると霧が辺りを包みだし山奥で誰かが話していた
「誰だ!」
人を警戒してか大声あげられたのでびっくりしてしまった
「悪いな稽古中にところで黒猫みなかったか?」
「黒猫?あぁルークか探してるのか?」
「依頼でな。てか誰かと話してなかったか?」
「師匠だよ」
すると師匠と呼ばれているおじいさんが巨木の裏から出てきて俺を見るなりにっこり笑った
「師匠はあまりしゃべらないんだ」
「そうか」
「あっそういや名前まだ言ってねぇな俺の名前は極 武よろしくな」
「俺の名前はアーロン ガラティこちらこそよろしく」
「そして師匠の名前が龍ってことしか知らない」
「師匠とは長いのか?」
「もちろん!6年間ずっと修業してたでも今さっき免許皆伝って言われたよ」
「そりゃあすげぇなところで龍師匠の宝物って知ってる?」
師匠の宝物を聞いた瞬間 龍の顔が少し悲しげになった
「ガラティそれは渡せない」
少し怒り混じりにそう言われた
「頼まれたんだ」
極は師匠に呼ばれたのか龍の近くに行きなにやら会話している様子だったが極は必死に抵抗しているようにみえた最後に「わかりました」と呟くと手招きされた
近づくとあの木の裏にあるからと師匠が出てきた巨木に行くとそこに指輪に紐で通したネックレスと思われる物を見つけた
取ろうとした時本来の目的の黒猫にそのネックレスを奪われてしまった
「「まて!」」
二人で追いかけるとこの山の出入り口が見えてきたすると極が出るのを躊躇しだした
「どうした?」
「久し振りに外に出るから」
「いいから行くぞ」
無理やり山から出し黒猫を探すが見つからない
「極帰るの家はあるのか?」
「無いよ…2年前に家に行くと誰も居なかった」
「そうか…じゃあうちの事務所に来い」
薄暗い一本道そんな会話をしていると前から人が3人歩いてきた嫌な予感がしたから振り返ると2人近づいてくる俺と極は臨戦態勢になる
パーカーのフードを深くかぶりつまらなそうにしている女は
「戦闘データが欲しいんだ協力してくれよ特殊部隊それと…新人かい?」
「特殊部隊って呼ばれるのは初めてだな」
フッと鼻で笑い「行け」と指示すると4人いや、4体の人に似て非なる怪物それはゾンビその物だった
どうしようかと考え俺は後ろの敵に立ちふさがり叫ぶ
「背中は任せたぞ」
極は戦闘の態勢になり頷く
初戦闘の相手が人間じゃないとは思わなかっただろう
俺の方に目掛けて突進してくるやつを柔道の要領で宙に浮かし叩きつける
「フガッ」って変な音を口から漏らす、きっと暫く動けないだろう
その隙にもう一体に対し三発抜き打ち22口径の弾丸により相手に致命的なダメージを与え絶命
最後に近くで倒れてもがいている敵に対して冷静に二発撃ち込む相手は耐えきれず絶命
極の方を見てみるとゾンビ達は両壁に叩きつけられ動かなくなっているしリーダー格の女と交戦中だった
極の蹴りは鋭く素早いものだったが単純な蹴り技に相手は完全に見切っていた
「クソッなんで当たらないんだ!」
やけになるほど攻撃は単純化して技のキレまで落ちてきた
「おい極!もっと工夫しろ!」
そうやつに呼び掛けると「あぁ」と呟き怒りに任せた大振りな右蹴りが相手を襲うも少しのバックステップで交わされる
その右足を軸に回し蹴りが炸裂する
「俺の名前はキワミだー!!!」
相手は油断していたのか交わせないと判断して両腕でガードする
極の一撃はゾンビを葬れる威力 女の身ではもろに受けきれるはずがない
しかし、その渾身の一撃はガキッと金属音を放ち受けきられてしまう イライラしたのか彼女は反撃を開始する
極の構えを直す前に短い左パンチを繰り出しそれに気を取られ右ストレートをもろに腹に受けて悶える
追い打ちをしようとする敵に向かい三発の発砲をするが金属音を出しながら全て腕でガードされ弾切れの銃を見て相手は攻撃を開始する
ボクシングのようなパンチを繰り出した腕をガッチリ掴み一本背負いをする 受け身が取れていないと判断できる手応えでこの隙にリロードを済ませ相手をみると相当ダメージを与えれただろう
極の様子をみると意外に大丈夫そうだ
異常な殺気が後ろに感じるどうやら怒り狂ってるようだ
俺は彼女に照準を合わせどこが弱点がを探る
腕は弾かれたなら足か二発撃ち込むも交わす様子もなくガキッっと音と共に弾かれるだけ
なら体か頭かと一発撃つと腕で守ったのを見てどんどん近づいてくる敵に怖くなり全弾撃ち込んだが腕でガードしきられた
かなりまずい状況
今までの攻撃で人工的な皮膚が剥がれ彼女の腕と脚は金属で出来ていることが確認できた
彼女は隠し持っていた大口径の銃をこちらに向けてきた やばい
頼みの綱のナイフでは太刀打ち出来ない どうする
取り合えずナイフを持って構えるが勝ち筋が見えない照準はこちらを向いているそしてその銃は自分の銃と比べ物に成らないくらいの爆音と反動と威力
俺は完全に勘で避けるもナイフの刃の部分に当たり砕け散ってしまった
まずい次に撃たれると間違いなく死ぬ
絶体絶命の時彼女に連絡が入る
「わかりました…」と言い電話を切る銃を腰にしまいため息をする
こちらを睨み付け足早に走り去っていった
助かった…そう感じると戦闘の緊張が解けるスライドを戻し腰に銃をしまい極を起こす
さあ事務所に帰ろうそう思った時パトカーのサイレンが聞こえてきてほどなくして警官2人が現れる
さすがの田舎とは言えこんだけの騒ぎをすれば誰かが通報したのだろう
どうせくるならもっと速く来てほしかったがそれも過ぎた話しだろう
警官の一人が話しかける
「ちょっといいかな?」
「なんでしょう?」
「なんで町中で銃ぶっぱなしてるか教えてくれるかなぁ?」
話しかけてきた婦警さんはとっても見たことある人だった
「アレ?ノノじゃん警察の仕事してるのなんか意外だな」
「私の本業よあとその名前で呼ばないでそれと質問に答えて」
「春とは言え夜の外は寒いし車乗せてくれない?」
ついついあの緊張感から逃げたくて話し込んでしまう俺を無視して山本のオロオロしてる相方に極が説明している
説明を受けた警察官はいろいろ疑い困惑しながらもわかってくれたらしい
「山本さん」と呼び極の説明をする
山本がガラティと極を見て
「で、何処にそのゾンビの死体があるわけ?」
「そりゃあそこに…」
俺は薄々気づいてたもうそんな物は転がっていないと…
極は驚いている
山本はまたかと言う反応
「何処に?」
「「消えてる(!)」」
「…もういいわ」
と諦めたように言い続けて
「犯人を捕まえるかぶっ飛ばしなさい!」
なかなかな申し入れに驚いたが
「まかせろ」
と言い極に帰ろうと合図をするが困った様子だった
「俺は何処に帰ればいい?」
「もちろん烏野探偵事務所に」
――――――――――――――――――――――――
今日もジンは事務所にはいなかったもう夜も深くなりせっかく借りた安いアパートに帰れず極とここで朝を迎える元々暮らしてた場所を極に譲ったが少し後悔したのは心にしまっておく
朝一番に猫の捜索依頼をしてきたおばちゃんが入ってきた
「おはようございます~」
朝から変なテンションで来てくれるステキなマダムだと思うが依頼人なのでそこは抑え
「おはようございますマダム」
「今日はねぇルークちゃんが帰って来た報告をしにとおみやげくれたんだけど指輪だったし本人に返してあげてほしいと思ってね」
「そうですかありがとうございます。預かります」
意外に優しいおばちゃんにあの指輪を渡された
「あと報酬の事なんだけど…」
自分達で捕まえられなかった猫
報酬を貰えなくても文句は言えないだろう
「しっかりあげるわ。お話し楽しかったしあの子にお礼言っといて」
山本さんに助けて貰った彼女は女神だと感じ感謝する
「しっかりと伝えておきます」
またよろしくね~って事務所を出ていく
極が起きてきたのをみて
「キワ、行くぞ」
「何処に?てかキワって」
恐らくこれで最後の依頼を終えるため山に向かう
その途中 極に聞きた
「なあ、キワ?」
「何か?」
「何で猫の名前がルークって解ったんだ?首輪についてるGPSくらいしかないだろ?」
「猫に直接聞いたんですよ」
「は?」
「え?」
「俺、動物と話せるんですよ山暮らしで身につけました」
淡々と話しかけてくるのを聞いてると目的地に着く
その女性は待っていた
「こんにちはレディ」
「待ってました」
その声は少し悲しそうに聞こえた
「申し訳ないがもう少し待って貰えますか?」
彼女は驚いたが了承してくれた
「キワ、師匠の所に連れて行ってくれ」
不思議に思ったのか変な顔をしているが「わかったよ」と言ってくれた
巨木の場所に来たが極が驚いていた
「師匠がいない!」
どこだと師を探してるのをほっといて巨木の裏に行き地面を木で掘ると白い物が出てきた
思った通りだ…
「おいキワ、探してる師匠いたぞ」―――――――――――
下山し入り口で待つ女性に話しかける
「たいへんお待たせして悪いかったですね」
「いえ、こうして待ってるのはもう慣れたので…」
「それも今日で終わりと?」
「ご存じだったのですねこの山の話を」
「ええ 少し調べさせて貰いました」
彼女はうつむく
「まぁ約束だったのでお渡しします」
「ありがとうございます」
「あとこれも」
俺はネックレスと山で見つけた白い石を渡すと
「会えるとは思わなかった……」
と呟き目には涙がみえる
「ありがとう… 本当にありがとう」
彼女は会えたのだ最愛の人に旅立つ前に
「最後にひとつ頼みがあります」
「何なりと」
「あなたのお名前を教えてくださいませんか?」
「俺は探偵のアーロン ガラティでこっちが龍の弟子の極 武です」
「恩人の名前忘れません」
「ではまたいつか」
彼女は深くお辞儀をしてから龍と共に消えていった
「帰ろう キワ」
「・・・」
「悪いな山で師匠は実は死んでるって伝えて」
「いつから?」
「昔ばなしを知ってたからかな…」
二人で事務所まで帰る時にはもう夕暮れ時だった
事務所に帰るが烏野は今日も帰って来ていなかった
「ジンまだいないのか?」
「ジンって誰です?」
「ここのボスだよ」
と説明しているとガダ!ドアが勢い良く開かれると烏野がいた
「ジン今まで何処に…」
「ガラティくん!!アメリカに行くぞ!!!」
「はい?」
「ん?ガラティくんそちらは?」
「極 武ここで働きたいって」
「そうかなら君も行くぞ アメリカ!」
どうやら俺の借りたアパートでの生活はまだお預けのようで非常に残念だ